災害で学ぶ経済の原点

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東日本大震災で被災された方々はもちろんのこと、

全国各地の工場などでも災害復旧や復興の戦いが急ピッチで進んでいる。

また、福島第一原発の事故現場で放射能汚染と不眠不休で闘っている作業員のみなさんも、

本当にご苦労様である。

 

あちこちで懸命の努力を重ねている人々の姿をみるに、これはまさに経済の原点だよねと思わされる。

 

とんでもないことになってしまったが、それを言っていても始まらない。

一人ひとりが、また各企業も、生きていくためにやれることは何でもやるのだ、

という行動がどんどん出てきている。

 

そういった自助の行動は動物でも人間でも、本来は当たり前のこと。

 

ところが、生活が豊かになってくるにつれて、

毎日の生活はあって当たり前といった感覚が普通になってしまう。

あって当たり前が、突然なくなると大変な事態だの大騒ぎとなる。

しかし騒いだところで、なにも解決しない。

なくなったらなくなったで、なんとしてでも元に戻すのだという生存本能をフル発揮するしかない。

 

このあたりの自助意識と行動が被災地でも全国各地の工場でも、すごい勢いで高まってきている。

“現場はそんな気楽なものではない、みな必死だ”

と叱られても構わない。

そのぐらいの迫力が、日本の政治や経済にずっと求められていた。

それが、この災害で経済の現場から出てきているのは心強いものがある。

 

国や政治にやってもらわなければならないことは一杯ある。

しかし、それを待っては荒れない。

やれることからどんどんやっていくのだという自助自立の行動こそが経済の原点である。

 

もちろん、われわれ長期投資家は自助の努力を重ねている企業を、迫力を持って応援していく。