投資の理論と実践

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先日、ファイナンシヤルプランナーを目指す人達との勉強会のこと。

長期投資をベースとした財産づくりを進めていく上で、何よりも大事なことがある。

それは、分からないことには手を出さないという、ごくごく当たり前のこと。

 

わからないことといっても、

投資の世界ではすべてが未知の将来に関わることだから、誰にもわかりっこない。

そんな中、これとこれとは長期でどっしり構えれば、

それなりのリターンを期待できるから思い切ってやってみよう。

しかし、それ以外は短期的にはともかく、

長期的にはちょっと不安だし、いざとなったらとても耐えられないから止めておこう。

この判断が、すべてに優先する。

 

具体的には、今後5年ぐらいの間に起こり得る投資リスクからは、

できる限り遠く離れた投資姿勢を貫く。

たとえば、いまの超低金利状態が5年先も変わらずに続いているかどうかは神のみぞ知るところ。

だが、もし金利が上がったら困るであろう投資対象には、

短期的にはどれほど魅力があったとしても、いまのうちから敬遠してしまう。

 

そうなると、分散投資とか株式と債券投資のリスク度合いといった、

投資の基本や理論を学ぶ立場からは違和感が生じるはず。

その辺りを、どう考えたらよいのかといった質問が出された。

 

お客様とお話しするときに、

ファイナンシヤルプランナーとしての基礎はしっかり身につけておくのは当然のこと。

したがって、投資の理論やライフプランニングといったものは、徹底的に勉強しておいておかしくない。

 

しかし、そこで準備完了ではない。

お客様の長期の財産づくりをお手伝いさせてもらうには、

実践で身につけてきた経験が大切な役割を果たすことを忘れてはならない。

世の中、なにが起こるか知れたものではない。

理論がまったく通用しないことだって、時には起こってしまう。

そんなときに、頼りになるのは過去の事例である。

あるいは、それらを乗り越えてきた経験といってもいい。

 

まあ、このブログが続いている間にも、いろいろ起こるだろう。

高度に理論武装した専門家たちが右往左往する局面もありうる。

そんなときでも、経済活動は何事もなかったように続いているはずだし、

われわれの長期投資も淡々と続いているはず。

 

皆さん、良い週末を。