経済の基本はリスクマネーである。
世の中こんなものを望んでいるのではないか、よしそれをいち早く製品化して商売しよう。
そう決断して資金を投入する、これがリスクマネーである。
本当に世の中が必要として買ってくれるかどうかは、
実際に商品化したものを売りに出して初めて、どうだったかが判明する。
多くの消費者が飛びつき買いしてくれれば、商売は大成功。
もし見向きもされなかったら、せっかくの投資は無駄金となる。
商売でもビジネスにしても、やってみなければ結果がどう出るか分からないもの。
それを承知の上で、敢えて行動に踏み切るのが事業であって、
そこへ投入する資金をリスクマネーという。
もちろん、事業家と投資家が一緒であっても、別であっても構わない。
大事なのは、未知の将来に向かって行動するということ。
そこで問題となってくるのは、
未知の将来に向かって丁かはんかの博打を打つのと、
冷徹で客観的な計算に基づいて行動することの違いだろう。
世の中には博打的な勝負が好きな人もいる。
それはそれで良い。
日本の株価形成には当たるも八卦的な要素が多分にあるが、
それは博打感覚で株式投資する人が多い表れなのだろう。
一方で、質の高いリスクマネーというものが、日本にはあまりに少ないのも事実。
市場全体が売り逃げに走ったり、株価の下落不安が蔓延しているようなときに、
平気な顔をして買いを入れる投資家はあまりいない。
冷静な価値判断を捨ててでも現金に逃げたいという市場のセンチメントに真正面から異を唱え、
長期投資家らしいバーゲンハンティングの買いを平然と入れられる投資家の少ないこと。
長期投資家であれば5年とか10年といった期間、
これは面白いという投資対象に資金張りつけたままにしておいても、なんら問題ない。
ところが、そういった長期スパンの資金を受け入れる側にとってはありがたいこと、この上もない。
その間、思い切った事業展開できるのだから。
この辺りを今年はいろいろな角度から徹底的に焦点を当ててみよう。