金融バブルの収縮過程

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 世界の景気、とりわけ先進国の経済がなかなか上向いてこない。

 その横で、

 新興国は旺盛な消費需要に支えられた景気上昇のピッチが早すぎるのを警戒して、

 金利を引き上げる動きがあちこちで見られる。

 

 この違いはどこから来るのだろうか?

 一般的には、

 既に豊かな生活を実現してしまった先進国では、

 景気低迷となるや消費者は即座に財布の紐を締めてしまう。

 それが景気をさらに冷やしてしまう。

 ところが、新興国では豊かな生活への憧れが爆発しており、

 世界的な景気低迷とかで物価が下がってくれれば、

 ほしかったものが手に届くから、消費者は即座に買い行動に出る。

 だから、あっという間に景気が立ち直ってくるわけだ。

 

 もうひとつ、世界的な金融バブルの後始末がずっと続いていることも大きい。

 3年前まで世界中の金融機関を巻き込んだ証券化商品などへのバブル投機が吹き飛び、

 その後遺症がずっと尾を引いているわけだ。

 後遺症となれば、

 より多額の資金を投入してバブルに踊ったところほど苦しみは大きくくなる。

 当然のことながら、

 資金量が圧倒的に大きい先進国の金融機関ほど、

 バブル崩壊による被害が大きくなるのは仕方ない。

 

 先進国の金融機関が大かれ少なかれバブルの後始末に苦しんでいるのが、

 景気の足を引っ張っているとしても、それだけが経済ではない。

 先進国には11億人の極めて高レベルの生活が存在している。

 そこには、とんでもない金額の消費や生産供給活動が毎日くり広げられているわけだ。

 われわれ長期投資家は、人々の生活に焦点をおいているから、ここは迷うことなく買える。