明日と明後日は出張なので、今日まとめて書きます。 木曜が休日なので、次回は、金曜日となります。 ちょっと空いてしまうけど、勘弁してください。
いよいよ日本もマイナス金利の世界に入ってきたが、その妥当性とか日本経済への影響とかは横へ置こう。 学術的なことは専門家に任せておけばいい。
大事なのは、われわれ長期投資家のみならず一般生活者は、いま何をすべきかだ。 将来に向けて、どんな行動をしておくべきかだ。
超低金利だろうとマイナス金利だろうと、それは国の政策である。 低金利政策は家計から法人への強制的な所得移転だ、けしからんといったところで、らちはあかない。
個人や家計から本来なら得られるであろう利息収入を奪ってでも、景気浮揚や経済活動の活発化を優先すると国がいっているのだ。
それに対し、われわれはどう生活防衛していくか、どう財産づくりをしていくかだ。 国の政策にあれこれ言っている暇があったら、その政策を活用する方がよほど賢い。
どうしたら良いのか? 実は、既に我々の長期投資が明快な答を出している。 それが、景気や金利の大きなうねりを先取りしていく、アセットアロケーションの切り換えである。
不況突入で低金利政策を立て続けに発動しだした段階からは、株式投資の比率をどんどん上げていく。 家計から企業への強制的な所得移転が進められている、すなわち企業の将来利益増加に貢献しているのだから、それを見越して株式を購入するのはきわめて合理的な投資行動である。
その段階で、不況だから現金を大目に保有するというのは、企業経営では許されよう。 しかし、投資家にとってはタブーである。 そんな低金利で現金運用したところで、一体どれだけの利息収入を稼げるというのか。
また、債券投資も絶対にやってはいけない。 低金利ということは、債券価格は高値を追っているわけだ。 投資では、既に高くなっているものを飛びつき買いするのは下の下の下である。
加えて、低金利政策は企業活動を活発化させて景気回復を狙ってもの。 景気が回復してくれば、金利は必ず上昇する。 ということは、債券の価格は下がるということだ。
わざわざ損する投資をすることもあるまい。 繰り返すが、低金利政策が相当に進んだ段階からの債券投資など、まともな投資家にとってはありえないこと。
いまが、まさしそうだ。 マイナス金利で国債価格が最高値を更新しているとかは、どうでもいい。 どうせ、長期国債で年0.02%にも回らないのだ、なんの投資妙味もないし、わざわざ将来のとんでもない値下がり損を背負い込むこともあるまい。
次の長期投資ステップは、景気を過熱してきだしたらころから、保有している株式をどんどん売り上がっていくこと。 金利も相当に上昇してきているから、現金比率を高めてもたっぷり金利収入を稼げる。
逆に、金利上昇で企業の利益向上スピードが落ちていく。 それまで好調に上昇してきた株価も、さすがに値上がり期待がどんどん限定的なものになっていく。 だから、保有株式を売り上がって利益確定するわけだ。 これも、すごぶる合理的な投資行動である。
最後に、金利上昇が急ピッチとなり景気が失速しだした段階からは、いよいよ債券投資の出番となる。 景気が失速から下降に入っていきだすと、債券価格はみるみる上昇していく。 その波をしっかりとらえよう。
この一連の流れが、アセットアロケーションの切り換えである。 この作業を忠実にやっていくことで、長期投資の成績の60%~90%は出てしまうといわれている。 自分の45年の経験からも、強く確信している。
ここまで読んでもらえたら、もうお判りだろう。 ここはマイナス金利がどうのこうのではなく、5年10年ずっと応援したい企業の株式をどんどん買い仕込んでおくこと。 それに尽きる。
もちろん、さわかみファンドにお預けいただけるのも大歓迎。 事態が落ち着いた頃には、びっくりすることになっていると思うよ。