日本は岐路にある(後編)

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なにも決められない、変われられない日本。 そういって、国や指導層を揶揄していても、それこそ何も変わらない。

昨日も書いたように、日本の政や官は利権や既得権そして各官庁の省益で、がんじがらめになっている。

断固たる改革をするにしても、誰がその処方箋を書き、誰が実行に移すのか? 実際に断行できるのか?

それは、この30年間の経済停滞と迷走で、もうウンザリさせられるほど証明されているはず。

そこで昨日の続きとなるが、もはや国民一人ひとりが自助自立の行動に移すしかないと考えよう。

このまま国頼みでぬるま湯に浸かっていると、本当にゆでガエルとなってしまう。

日本経済の低迷で所得は増えないのに、財政破綻やインフレといった大津波に見舞われたら、目も当てられない。

すくなくとも酷い財政状況から、大増税とインフレといったツケが国民にまわってくるのは避けようがない。

その時、どう自己防衛するのか? ひとつの有効な解は、長期の株式投資だと昨日も書いた。

そこでだ、国民が預貯金の30%でも長期の株式投資にシフトしてくれると、どんな効果が期待できるのか?

個人金融資産1945兆円のうち、預貯金額は955兆円に上る。(日銀速報2021年3月末)

その30%にあたる286兆円が長期の株式投資にまわると、年間の配当収入だけでも4.2兆円が家計収入となる。(税引後)

預貯金に寝かせておいたなら、300億円ほどの利子収入(税引き後)にしかならないのとは大違いである。

それだけではない。 286兆円もの個人マネーが長期の株式投資にまわってくれると、企業経営は一変する。

なにしろ、日本最大の株主である日銀や公的年金を6倍強も凌駕する、強大な企業応援投資家の登場となるのだ。

機関投資家の雇われ運用者とは違い、こちらは生活者投資家だ。 投資先企業に対しても、短期の利益など求めない。

長期視野に立った経営で、付加価値の最大化を企業に求める。 逆に、企業を利益利益で追い立てるなどはしない。

すなわち、投資や研究開発の積極拡大、雇用の確保や給与の増加、環境の保全や税金の支払いなどを経営に強く求める。

たとえば、採算に乗らないからと地方の工場を閉鎖し、地方経済に打撃を与える経営判断とかにはブレーキをかけられる。

断トツの規模を誇る日本最大の株主が、生活者や社会に良かれとする企業経営を求めだすのだ。

日本経済は様変わりとなっていくのがイメージできよう。 預貯金マネーが長期の株式投資に向かうだけで、それができてしまうのだ。

もちろん、長期の株式投資ならインフレなどにも乗れてしまうし、結構な財産づくりとなっていく。

したがって、分かった人からどんどん長期の株式投資に入っていき、その流れが日本全体に広がっていくようにしたいものだ。