金融バブル崩壊に備えよう、とか。 バブル崩壊の津波に押し流されないように、とか。
バブル崩壊の荒波を食らわぬためには、とか。 いろいろ表題を考えているが、どれもこれも弱すぎる。
もっと本質的であって、バブルなど一過性の大騒ぎと断じ、それを悠々と乗り越えていくような表題はないものか?
われわれ長期投資家は、そもそもからしてバブルに踊り狂ってきたわけではない。
むしろ、こんなバブル高は風船のようなもの。 中身があるようでないのに、あると思い込んで買いまくっているだけだ。
しゃにむに買っている間は、もっともらしい買いの理由が次々と生み出されて、あたかも中身があるような幻想を抱く。
そのバブルがはじけるや否や、中身なんて何もなかったことに気づいて、参加者の皆が大慌てとなる。
そして、皆が一斉の売りに走る。 売り逃げに転じるや、本来の価値もなにも放り出して皆が現金化を急ぐ。
一刻も早く逃げようとする売りが殺到して、金融マーケットでは地獄のような修羅場となる。
株価は急落に次ぐ急落で、あっという間にボロボロの安値にまで叩き落される。
債券市場も売りの殺到で値段がつかないまま一方的な下げとなる。 それに反比例して、長期金利は急上昇に転じる。
そうなってくると、金融マーケットのみならず経済の現場も大混乱に陥る。
あり余っていたはずのマネーが急収縮し、みなが現金化を急ぐから金利は急騰する。
ゼロ金利とふんだんな資金供給を謳歌してきたビジネスの現場では、あちこちで恐慌をきたす。
これら一連のバブル騒ぎなど無視して、将来価値を読み込んでマイペースの投資を貫くのが、長期投資家の真骨頂である。
いまここでは、バブル騒ぎから遠く離れている。 それは、バブル崩壊の津波に巻き込まれないようにという逃げではない。
バブル崩壊後に、一気呵成の攻めに転じるためだ。 株価など価格が大幅に下がっているし、世の中の価値観もズタズタになっている。
まだまだ売りが続いている地獄のようなマーケットで、価値あるものを丁寧に拾っていく落ち着いた行動こそが、バブル崩壊後に最も求められるものである。
そこから、社会的な価値をベースとした、もっと落ち着いた経済活動の姿が見えてくるはず。
カネあまりに踊ったバブル経済ではなく、人々の生活に直結した経済活動の本来の姿だ。
そこでは、われわれ長期投資家がどんどん輝きを増すことになる。