人為と政策 vs. マーケット

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やたらと堅苦しい表題をつけたが、「人々の傲慢さ vs. 経済合理性」と言い換えてもいい。

もっと分かりやすくいえば、地球環境を荒らしまくってきた咎めとしての最近の異常気象と、まったく同じである。

人々がより豊かな生活を求めて止まない中で、地球温暖化にブレーキがかからず、それが異常気象を招いている。

成熟化した経済に生きる人々の横で、これから豊かになりたいと願う新興国や途上国の人々は、圧倒的な多数派である。

その人たちのエネルギー消費は、うなぎ上りに高まっている。 それが、先進国の人々の贅沢に慣れ切った生活に、まるまる上乗せされてくる。

これでは、地球環境への負担など問題意識は高まるものの、そんなこと無視で皆が日々の生活に勤しむだけとなる。

その挙句、集中豪雨や洪水、イナゴの大群の襲来など、予想もしなかった災害に生活が脅かされる、しっぺ返しを受ける。

いま世界の金融や経済政策をみるに、金融を大々的に緩和し、金利をゼロにすればの強引さが、まかり通っている。

コロナ禍で大きく傷んだ経済活動を下支えするにも、財政出動に糸目をつけない。 それはいい、誰も異存はない。

ただ、それ以外の政策においても、経済成長のためには2%インフレを目指すとかで、ゼロ金利を主張し続けている。

それが、世界的に前代未聞のカネあまり状況をもたらし、株式市場などでは空前のバブル買いとなっている。

ここからだ、今日の本題は。 コロナ問題をこれ幸いに、先進国中心に資金のバラマキをさらにさらに加速させている。

そして、それが金融マーケットなどで異常ともいえるバブル高をもたらしている。

それにもかかわらず、政策当局はこれでもかこれでもかと金融を緩和し続けているのだ。

バブル高に浮かれているのは参加者の自由だが、買いのポジションがどんどん膨れ上がっているのは紛れもない事実。

いつかどこかで、重みに耐えられなくなって落下がはじまるのは、自然の摂理である。

買って買いまくれば、それだけ将来の売り要因を上積みしているわけで、あとはマーケットでの崩れがいつ始まるかだ。

バブルが自然落下のような崩れを見せはじめるや、もう中央銀行といえども止められない。

参加者たちは収拾のつかない売り地獄に叩き落されるが、そこで人為や傲慢さの限界を思い知る。