巷にあふれる株式投資の書物には、それこそ星の数ほど多くの投資の手法とかテクニックが披露されている。
その中には、著者たちの個人的な、それも一時的な成功に基づいた理論やらテクニックも入ってくる。
日本では、チャート分析も根強い支持者たちに支えられて、一定の地歩を築いている。
一方、読者の方も株式投資で大儲けしてやりましょうと、いろいろな株式投資本を買い漁る。
ところが面白いことに、これが定番だ、定石だといえる株式投資の手法やテクニックは存在しない。
どうしてだと思う? それは、多くの人々は株式相場すなわちマーケット変動を、どうとらえて儲けるかに腐心しているからだ。
マーケットには不特定多数の投資家が自己利益最大化を求めて、それこそ自由気ままに参加してくる。
各自それぞれ、儲かりそうな獲物には飛びかかっていくが、損はしまいという欲もまる出しにしている。
そういったマーケット参加者たちの行動なんて、それこそ千差万別で一定の法則性など求めようがない。
儲かりそうな株式には、ワーッと買いが殺到してくる。 それで、株価は吹っ飛ぶ。
株価が上がれば、さらなる買いがどこからともなく集まって来て、株価上昇は加速する。
このまま上昇相場が続くぞと思いきや、どこかで誰かが売ってくると、ヤバイ損したくないの投資家心理がパッと広がる。
それで売りが殺到して、そこまでの上昇相場が突如として大崩れに入る。
きっかけは、ほんのちょっとした気まぐれ売りだったかもしれない。 それが暴落相場の引き金となったりするわけだ。
そういった、どうにでも転がってしまうマーケット展開に、一定の法則性を求めるなんて無理もいいところ。
だから、株式投資の手法やらテクニックとやらが、新たに次から次へと顔を出してくるわけだ。
そんな中、長い経験則で生まれてきた株式投資にまつわることわざや教訓がある。
それは「利食い千人力」であり、「鯛の頭と尻尾はくれてやれ」などだ。
要するに、相場なんてものは上がったり下がったりするもので、早めに手仕舞って利益を確定しておけだ。
あるいは、大底で買おうとして買いそびれたり、天井で売ろうとして下げを食らってしまう愚を戒めているわけだ。
どれもこれも、株式相場というマーケット変動に立ち向かって儲けようとする投資家たちの間での話。
われわれ本格派の長期投資家からすると、マーケットとはつかず離れずでマイペースの売買を繰り返すだけのこと。
安い間に買い仕込んでおいて、高くなるのを待って利益確定の売りを出していく。 そのリズムを守る。
法則とかテクニックとかは無用。 長期投資のリズムをマイペースで守っていくだけだから簡単である。
