食品に関する消費税率を1%に引き下げる方向にあるが、政府も国民も後悔することになるだろう。
物価上昇で国民の生活が圧迫されている、それをなんとかしなければだが、消費税率の引き下げはいただけない。
これはポピュリスト政治の典型である。 消費税は国民の生活を圧迫する悪法だとする短絡的な考え方でしかない。
経済が発展拡大の途にある間は、伸び続ける個人所得や法人所得から、たっぷりと税を徴収できる。
だから、消費税とか付加価値税とかの徴収など、まったく必要はない。
ところが、一国の経済が成熟化してくるにつれて、成長率も鈍り個人や法人所得も低めとなっていく。
一方、医療や年金など社会福祉関連の政府支出はどんどん膨れ上がっていく。
当然のことながら、国の財政は圧迫されて赤字化が恒常的になっていく。 これは構造的な問題である。
財政赤字の増加を埋めるために編み出されたのが付加価値税、日本では消費税である。
国民の全員に薄く負担してもらって、成熟経済では恒常的となる税収不足を補おうとする考え方である。
そうしないと、国の税収不足は社会福祉関連のみならず、あらゆるところにしわ寄せが及んでしまう。
そのあたり、しっかりと考えないまま消費税は生活者を苦しめる悪法だとしているのが、日本の政治である。
消費税を悪法だとするならば、医療費や年金などの税による補填は、どうするのか?
今年度予算の123兆円だが、そのうち38兆円が社会保障費として計上されている。
それに対し、1%への消費税率引き下げで、5兆円ほどが国庫に入ってこなくなる。
その穴埋めは、どうするのか? 政府はその財源は税に求めないといっているが、一体どうやり繰りするのか?
高市総理の頭の中には、経済成長率を高めれば税収は増え、それでもって対応できると考えているのかもしれない。
その前に、日本の財政赤字は先進国でも断トツの最悪を独走しているのだ。(対GDP比)
恒常的な財政赤字だからこそ、赤字国債の増発でもって予算をやり繰りしているのだ。
それが故の、国の借金は日本のGDP(国内総生産)の2倍前後にまで膨らんでしまっているのだ。
この、どうしようもない国の財政事情を軽視はできまい。 円が売られて安くなるのは当然である。
歴史の教訓では、その先ではハイパーインフレとかが待っており、国民の生活をズタズタにしてしまう。
そのあたり、日本の政治は見てみぬふりをしているのか、考えようともしてないのか、ゾッとさせられる。
