円安このままいくとマズイぞということで、日本の為替介入に米国も同調してきた。
それもあって、円ドル相場は155円台にまで円高が進んでいる。
日本の場合は、ズルズルと円安が続くと、それだけ国内インフレの加速要因となっていく。
また、国内金利にも上昇圧力を強め、高市政権が進める成長戦略に水をさす。
一方、円安の進行は米国にとっても軽視できない問題を抱えている。
円高を支援して、日本が保有している米国債を売るような判断は、なんとしても阻止したい。
日本は世界最大の米国債保有国である。 その日本が売るとなれば、米国の金利を押し上げてしまう。
それでなくても、トランプ政権は金利低下にこだわっているというのに。
ところで、為替の協調介入だが、1985年9月のプラザ合意を思い出す。
当時、米ドルは米国経済の実力を超えて高めで推移していた。 その横で、米国の貿易赤字は著増していた。
このままではマズイということで、先進7か国の財務相が緊急会合した。
そこで決めたのが、先進国協調のドル安政策であった。 そして、日本円の大幅引き上げだった。
世界最強の輸出力で攻勢をかけていた日本は、円ドル相場を250円から125円にまでの円高を容認させられた。
円がドルに対し一挙に2倍となる、とんでもない為替協調の合意だった。
こんな円高を飲まされては、さすがの日本製品の輸出もとん挫するだろうと、国内でも大騒ぎとなった。
しかし、当時の日本企業は仕方ないと腹をくくって、円高対応に必死の努力をした。
そして、2倍となった為替相場を敢然と乗り切って、それどころか一層の円高にも対応していった。
気がついたら、1ドル100円を切って90円、そして80円を切るまでに円高は進んでいった。
あのころの日本企業は本当に強かった。 凄まじい企業努力で世界最強の名をほしいままにした。
ところが、90年代に入って日本企業が円安の大合唱を始めたころから、状況は一転した。
日本企業はどんどんダラシナクなっていって、生産性が低いだとかを甘受するだけの有様である。
その横で、大企業中心に経営者の報酬はびっくりするほどに高くなってきている。
海外企業の経営者は高給を取っているとかばかり先行しているが、どれだけすごい経営をしているのか。
また、国を挙げての働き方改革とかで、昔の日本人の働きぶりはどこかへ行ってしまった。
これらの集合として、円がどんどん安くなっていくのは当然だろう。 茹でガエル日本への警鐘である。
