日本の家計の預貯金指向は世界的にみても、異常といえるほど高い。
個人金融資産における預貯金の比率は40年ほど前から、ずっと46%~48%を占めている。
米国での預貯金比率は10%にも満たないし、EU各国でも10%前後でしかない。
明治はじめ以来これでもかこれでもかと叩き込まれてきた貯蓄信仰が、日本人の間で岩盤化してしまっているのだ。
デフレ状況の間は、現金の価値が高まってくれたから、それで良かった? 冗談ではない。
デフレ下で、国や日銀は超低金利そしてゼロ金利政策に走ったから、日本の家計は利子収入のほとんどを奪われた。
ちなみに2013年から2023年までの10年間で、家計の預貯金残高の平均は910兆円に上る。(日銀統計)
そこからの利子収入は年間で2兆円にも満たなかった。 ゼロ金利時は、たったの9000億円ほどだった。
通常の金利水準3%~4%であれば、20%の源泉税が徴収された後でも、22兆円から29兆円の利子収入があったはず。
その利子収入の7割ほどが消費に向かっただけでも、日本経済は4%~5%の成長ができたはず。
なのに、超低金利とゼロ金利政策で日本の家計は22兆円から29兆円の利子収入を、国は4%~5%の成長機会を失った。
どちらも念願のデフレ克服にはマイナスでしかなかった。 この辺り経済政策の検証は、まったくなされていない。
そのデフレ下だが、現金の価値が高まったから、預貯金指向の家計は勝者だったのでは?
これまた冗談ではないといえよう。 のんびりと長期投資をしていたなら、年に6~7%ぐらいにはまわっていた。
預貯金に置いていて、現金の価値が高まったと喜んでいた人々が多くいたのはたしか。
ただ、その横でさわかみファンドなど長期投資家は、年6~7%の資産増殖を果たしていたわけだ。 えらい違いである。
ところで、ようやくデフレを克服した日本だが、今度は世界的なインフレ圧力にさらされている。
インフレ進行につれて金利も上がっていくが、現金や預貯金の資産価値の目減りの方が早い。
そう、預貯金でガチガチの人々はデフレ下で利子収入を大幅に減らされた。
デフレを克服したいまや、今度はインフレ進行で資産価値を大きく目張りさせようとしているのだ。
まさに踏んだり蹴ったりだが、預貯金にしがみついている間は、どうにもならない。
一刻も早く、われわれ本格派の長期投資家と一緒に、安定度と再現性の高い資産形成の旅に出てもらいたいものだ。
