二宮尊徳の言葉として有名なもので、後段は「経済なき道徳は戯言である」とくる。
自分の好き放題に世界をかき混ぜてくれているトランプ大統領をみるに、この言葉が浮かんできてしまう。
彼の場合、米国の大統領ではあるが、その立場を利用して私腹を肥やしているのではと、ひんぱんに報道される。
彼の場合、大統領になる前に幾度となく破産状態を繰り返したといわれる。
それだけ波乱万丈の人生を歩んできたのかもしれないが、自己破産して合法的に債務免除を受けてきたともいえる。
合法的な債務免除だから、なんのやましいところもない。 堂々と立ち直ってきた彼が立派ということになる。
ただ、それを繰り返しているというのは、どこか計画的なものの匂いもする。
普通、自己破産すると禁治産者として、様々な制約を受ける。 そう簡単には社会復帰できない。
なのに彼は不死鳥の様に経済界に復帰している。 そのあたりに、彼のしぶとさが感じられる。
ところで、債務免除というと、債権者側からすると投下していた資金の回収ができないということになる。
いってみれば、泣き寝入りである。 もちろん、商法に則った債権債務の処理であって、それで一件落着ではあるが。
とはいえ道徳観でいうと、債務免除を受けたからといって、しゃあしゃあとはちょっとできまい。
ここに、二宮尊徳が言っていた「道徳なき経済は犯罪である」が重きをなしてくる。
商法上は何の問題もないということで債務免除を連発するのはいいが、債権者側からするとたまったものではない。
経済社会の信用というものにも影が差す。 道徳あってこその信用であるのだから。
借りたものは返す、相手には迷惑をかけない。 そういった商道徳に徹していてこそ、健全に経済はまわる。
いくら合法的といっても、商道徳の原点はないがしろにしたくないものだ。
さもないと、犯罪に限りなく近いところでの経済活動が跋扈することになる。
