イタリア出張中ずっと考えていたのが、円安の先にどんな展開があるのだろうか、だ。
最近の円安傾向は、日本経済のみならず国家運営のだらしなさを象徴しているとしか言いようがない。
90年代の初めまでは、円とスイスフランが強い通貨の双璧となっていた。
両国とも圧倒的に強い通貨を抱えて、なおかつ輸出競争力の強化に必死の努力を重ねてきていた。
ところが、90年代に入って両国は正反対の方向へ経済運営の舵を切って、現在に至っている。
日本では政官民を挙げての円安大合唱を繰り返し出して、それに並行して国力はどんどん下がっていった。
そして、いまや円安を掲げたインバウンド需要を狙っての、安売りの大合唱を唱えるのみ。
一方、スイスでは強い通貨にもかかわらず、どうやって輸出を伸ばしていくかに凄まじい努力を重ねた。
スイス3大産業のひとつである観光業でも、世界最強通貨のスイスフランと高い滞在費にもかかわらず隆々としている。
その結果、かつてはずっと1スイスフランに対し100円前後だった為替レートが、いまや200円前後にまで堕ちている。
そんな衰弱一途の日本経済に沿っての円安の流れは、ちょっとやそっとでは止まりそうにない。
為替介入をいくらやっても埒が明かず、財政資金の無駄遣いとなるばかり。
それでなくても先進国で最悪を独走している日本の財政だ。 (対GDP比)
このままいくと、1ドル200円とか250円も、そう遠くないような雰囲気となってきた。
識者などの多くも、資金を米ドルにシフトして、円の暴落から資産防衛を図るべしという。
ここから先が、今日のテーマである。 本当に、円の暴落があるのだろうかだ?
米国は言わずと知れた世界最大の借金国である。 恒常的な貿易赤字も、世界の決済通貨ドルでもってなんとかしのいでいる。
そんな状態なのに、世界秩序無視のトランプ政策によって、ドルの国際的な信認はどんどん落ちている。
もし円安がどうにもならないほど加速しだすと、日本政府は保有している米国債の売りも検討課題となってくる。
かりに日本政府が米国の意向をおもんばかって米国債の売りを躊躇したところで、世界の金融マーケットは動きだす。
なにしろ、世界最大の米国債保有国の日本だ。 売りが出だしたら米国債の暴落と金利の急騰だと読んで、マーケットは先回りを始める。
当然、日本の生保など金融機関も大量に保有している米国債の売りに走る。 それが、ドルの暴落を誘うことにも。
円売りが端緒となって、世界の金融マーケットは売りの連鎖となって大混乱に陥ることも、念頭に置いておこう。
