ブレーキをかけてあげるのも、投資教育だよ

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世界的な株高や債券高を受けて、投資に新規参入する個人が増えている。

書店には、株で億円単位の資産を築いたとか、4億円にしたとかの自慢本が目白押しとなっている。

証券会社はじめ投資関連のビジネスを展開している企業にとっては、絶好の稼ぎ時だ。

どんどん新規投資を煽って、稼げるときに目一杯稼いでしまおうと、顧客営業をフル回転させている。

彼らからすると、手数料をはじめ投資商品の販売など、こんな稼げるタイミングを逃す手はない。

このまま上がり続けてくれると最高だし、よしんば大きく下がっても投資家の自己責任だといって済まされる。

となると、問われるのは投資家の判断力である。 投資慣れした海千山千の個人投資家であれば、放っておけばいい。

儲かったり損したりの繰り返しは、毎度のこと。 いずれ来るバブル崩壊で大やられしても、懲りない面々はまた市場に戻ってくる。

一方、年金不安や将来の生活の一助にということで、これから投資をしょうかと考えている人達は悩ましい。

とりわけ、こんなバブル高だ。 投資はじめての人たちが、このタイミングで投資をはじめていいものかどうか?

かりに、このまま金融バブルが1年2年と続いてくれたとしても、いずれはバブル崩壊の洗礼を受ける。

そして、投資なんてやらなければ良かったと大後悔して、マーケットから去っていく。

これまで幾度となく繰り返してきた、「投資を試みては、もう金輪際ご免だ」となる図式だ。

今回は、これまでよりもはるかに罪が重い、惨憺たる結果とともに大きな社会問題となろう。

なによりも、2年前の老後2000万円問題で、人々の「投資しなければ」意欲はずいぶんと高まってきた。

そこへ、このバブル高だ。 時を追うごとに株価などが尻り上がりに高くなってきている。

早く投資に踏み切った人たちは、それなりのプラス収益を謳歌している。

それを見ると、どうしようか迷っていた人達も、おびき出されるように投資しようかとなってしまう。

なにしろ、日銀など中央銀行が胴元になったバブル相場だ。 この高値はまだまだ続くといわれれば、そうかと思いたくもなる。

ところが、こんなカネあまりは、かつて人類が経験したこともないもので、バブルは異常なる膨れ上がりとなっている。

それが弾けたときの落差は想像を絶する大きなものとなろう。 ほとんどの投資家が、それをもろに食らうのだ。

長い経験から、こんなところから投資なんて始めてはいけないよと、ブレーキをかけてあげたい。