先週の金曜日には、1000円を超す棒下げを見せたかと思いきや、今日は600円前後の戻しときた。
日経平均株価が、まるでピンポン玉のように大きく下げたり、跳ね上がったりしている。
おそろしく派手な値動きであるが、個別企業の株式が激しく売られたり買われたりした結果というわけではない。
上場企業の株式をひとまとめにしてインデックス表示した価格が、ピンポン玉のように跳ね回っているだけのこと。
これは、世界的に年金運用などを中心にして機関化現象が進み、預かり運用資産も巨額化した。
巨額の運用資金をいかに効率的に運用するかで、スルスルと躍り出てきたのが、インデックス先物の売買である。
個別株の売買と違って、インデックスという指標を追いかけるだけだから、どんなに巨額の資金でも対応できる。
これはいいということで、最近ではインデックス先物を主体とした株式投資が、日米の株式市場売買高の80%とか85%を占めるようになっている。
そうなってくると、機関投資家の間では個別株投資などはまったくといっていいほど眼中になくなる。
それよりも、ひたすら平均株価に影響を与えやすいマクロ指標に神経をとがらす。
そのひとつが、長期金利の動向である。 長期金利が上昇してきたということで、先週は派手に売られた。
今日になって、長期金利の上昇が一休みということで、今度はすさまじい買い戻しだ。
年金といった大事な資金の運用が、こんなドタバタ売買の繰り返しで、果たしていいんだろうか?
それも、金融バブルに乗って青空天井で買い上がってきた株価の高値もみ合いを、ドタバタ売買しているのだ。
ずっと、こんな金融バブルは一刻も早く崩壊した方がいいといってきているが、年金など機関投資家運用の無責任さにも警鐘を鳴らしている。
このバブルが崩れたときには、年金などの資産急減も大きな社会問題となるのは必定。
世界の機関投資家の多くが、ディーリング運用にシャカリキとなってきた咎めだ。
まあ、われわれ本格派の長期投資家は世のバブル指向とは一線を画した、地に足のついた運用に徹しよう。