これまでの将来不安やら年金不安に加えて、コロナ禍で生活不安も現実問題となってきている。
将来とか年金の不安については、投資しようとか積み立て投資をしておこうといった考え方が、お茶の間の話題となるぐらいにまでなってきた。
それをよいことに、驚くほど多くの指南書が出回ったり、各種セミナーもひんぱんに開催されている。
また、金融機関は新しい商売の種とばかり、いろんな商品の開発と営業に力を入れている。
はっきりしていることは、どれもこれも付け焼き刃的なものばかり。 20年30年はおろか10年の時間軸でさえ実証されたものは、ほんのわずかしかない。
ポッと出てきたぐらいの将来や年金対策とやらを真に受けて、本当に安心できるものだろうか?
積み立て投資もずいぶんと一般化してきたが、200本近い積み立て投資を対象とした投信の中で、10年を超す実績のあるものは一体いくつあるというのか?
といったわけで、現行の金融バブルが一刻も早く崩壊して、バブル高で浮ついた財産づくりや年金対策とやらが吹っ飛んでくれた方がいい。
それでもって、真に実力ある将来や年金の対策方法や対象商品だけが残り、それが万人の眼にはっきりしてくれた方が、後々のためだ。
さて、問題は生活不安である。 コロナ感染防止対策で、飲食業や旅行関連業界を中心に壊滅的な打撃となっている。
いずれも雇用吸収力の高い業界ばかりだから、大幅な収入減や失業は深刻な社会問題となってきている。
それに対し、国や自治体は休業補償や失業手当などの手を打ってはいるが、個々人でみると収入を失ったりする人は、ずいぶんと増えている。
どうしたらいいのか? きつい言い方となるが、対策とやらを期待しない方がいい。
国や自治体の支援を待っている間に、置かれた環境はまだまだ悪化していく。
なにしろ、そういった国頼みの他力本願が日本中で蔓延しているのだから、自分にまではなかなか支援がまわってこない。
ここは、なにがなんでも食っていくのだと、強い意志と覚悟でもって仕事を求めて行動することだ。
いつの時代でも、とりわけ困難な時ほど、自助自立の精神で行動するしかない。 それが、経済の原点である。
営業停止や時間の短縮で厳しい経営を強いられている飲食業も、全部が消えてなくなるなんてことはない。
歯を食いしばってでも生き残ったところが勝ちとなる。 先行きの回復を想定して、いい人材を確保する絶好のチャンスである。
不安は行動することによってのみ、消えてなくなる。 きちんとした長期投資は、誰もができる。
生活不安は、ともかくも仕事を見つけて働こう。 まじめに、まともに働いていれば、すこしずつ先は明るくなる。 それが、世の中というものだ。
ともあれ、いまは自助自立の精神が試されていると考えよう。