毎年この時期は、夏枯れ相場で株式市場は閑散となり、どちらかというと大きく下げる展開が多くなる。
投資家や市場関係者の多くが夏休みを取ることで、買い手不在のマーケット展開となるのは仕方ない。
それもあって、ちょっとした悪材料で株価全般は大きく下げることが、ひんぱんに発生する。
ところが、今年のNY市場などでは夏枯れどころではない、すごい活況となっている。 異常な市場展開である。
コロナ問題もあり、経済などファンダメンタルズからはとても買えない状況なのに、株価は好調そのもの。
その背景には、世界的な金あまりがある。 各国は財政、中央銀行ともども、とんでもない規模でもって資金供給を続けている。
一方で、世界の経済活動の現場では、コロナで寸断された状態を、なんとか平常に戻そうとのたうち回っている。
飲食・観光・航空関連などのビジネス分野では、激減した収入減を補う方向での資金需要は高い。
とはいえ、世界中でばら撒いている資金額からいうと、それほど大した金額でもない。
となると、どうしても資金はあり余ってくる。 それが債券や株式市場に集中して流れ込んで来ているのだ。
債券市場では、巨額の新規発行が相次いでいる。 大量の起債を平気で、いくらでもどうぞと吸収してしまっている。
株式市場では、ナスダック市場など史上最高値を更新し続けているほどの活況を呈している。
どう見ても、バブル現象である。 市場参加者は、上がるから買う、買うから上がるの相場から抜け出せなくなっている。
こういう状況が続くと、どこかでは大きな下げに見舞われることになる。 バブル相場なんて、いつかは総売りとなるだけのこと。
その寸前までは、とにかく相場についていこうというのが、多くの市場参加者の姿勢なんだろう。
これは機関投資家の限界ともいえることだが、上昇相場を途中下車できない。
いくら、この相場はそろそろ降りた方がいいと思っても、高値追いしている間に売ってしまうのは危険。
その後の上昇分の成績を放棄することになるわけで、運用競争からの脱落を意味する。
周りから成績差をつけられるのが怖いから、彼らは上昇相場を最後の最後まで追いかけることになる。
バブルがはじけて総売りとなったら、全体が下げているからということで責任は追及されない。
そういった機関投資家の無責任には付き合っておれない。 われわれは、このバブル相場には半身の姿勢で行こう。
そして、利益確定優先のスタンスでいって、次の大きな買い場の準備をしておくのだ。