世界経済の正常化に向けて、いばらの道が待っている

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NY株式市場では、大きく下げては戻し、また大きく下がるの揺れが激しくなってきた。

投資家心理もリスク回避に傾き、安全資産といわれる米国債への資金シフトが続いている。

発端は、コロナウイルス問題の拡散で世界経済が失速する懸念が高まってきて、それを嫌気してのもの。

したがって、マーケットも経済界もコロナウイルス問題が収束に向かえば、落ち込んでいた需要が急回復すると期待している。

確かに、世界レベルで供給網が分断されてきており、一部の生活物資では不足しはじめている。

コロナウイルス問題さえ片付けば、世界の生産はフル回転しはじめ、株価も急反発するだろうという読みだ。

生活物資の供給つまり人々の生活という面では、一日でも早くそうなってほしいところだ。

いや、世界全体でみると供給体制は必ず修復される。 なにしろ、人々の生活需要は待ってくれないのだから。

たとえ価格が上がっても買おうとする。 それが高じて、生活物資を中心としたミニインフレもありうる。

ミニインフレ? そう、これだけ野放図な金融緩和をしてきたから、世界はひどいインフレに見舞われていてもおかしくない。

それなのに、中国の過剰生産力や新興国をはじめとした低賃金労働力の供給などで、インフレのイの字も出てこなかった。

しかし、コロナウイルス問題で世界的な供給のボトルネックが生じはじめている。 そこでの、ミニインフレだ。

ともあれ、ここから先どうなるのかは、さっぱりわからない。 しかし、金あまりバブルは一刻も早く吹き飛んでくれた方がいい。

金利のない経済なんて、どう考えてもおかしい。 おかしな状態の是正には、金融はじめ経済活動全般に、いばらの道が待っている。

それは、世界経済の正常化には避けて通れない道である。