中小企業の生産性が低い?

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日本の中小企業は大企業に比べ、かなり生産性が低い。 それが日本経済の成長のネックとなっていると、よく言われる。

統計的には、そうかもしれない。 なぜなら、ただ単に税優遇を目当てとしただけの小規模企業が、国内いたるところで跋扈しているのだから。

日本では、1960年代からずっと中小企業の育成支援と称して、分厚い税優遇をしてきている。

法人成りといって、会社組織にすると多方面で税の控除が受けられる。 だから、所得の多い個人は競って形だけの企業を設立していった。

実態は個人事業なのだが、会社組織にすれば様々な経費が落とせる。 それで、好き放題に節税ができるのだ。

表向きは、さっぱり儲かっていない。 しかし、実態は外車を乗り回したり、ゴルフに興じたりなど、すべて会社経費で落としている。

一度この味を知ったら、もう止められない。 そんな経緯で、利益のほとんど出ない会社が日本中でゴロゴロしているのだ。

そういった税優遇を享受しているだけといっていい小規模企業にとっては、生産性の向上など何の興味もない。

現状のまま税優遇制度に乗っかって会社が続けられるだけでいい。 事業主としては、甘い汁をたっぷりと吸える。

一方で、厳しい経営環境に苦しんでいる中小企業も数多い。 こちらも、生産性が低い範疇に入ってくる。

なにしろ競争が激しかったりで、製品価格の上乗せが難しく業績も低空飛行を続けているから、生産性が低いとなってしまう。

ただ、そういった中小企業の仕事と頑張りが日本経済の岩盤となっているのも事実。 なんとしても存続してもらいたい。

さわかみグループが中小企業の事業承継支援を始めたのも、経営のお手伝いをして隆々と生き残ってもらいたいためだ。

ともあれ、こう書いてくると、簡単に生産性が低いといってはいられない。 なんとも難しい問題である。

もちろん、税優遇を享受するだけの事業者に対しては、もっと厳しくしてもいい。 企業としての社会的な存在理由を果たしていないのだから。

されど、必死に頑張っている中小企業を、生産性が低いの一言で片づけたくはない。