日経平均株価が1000円を超す下げ、NY市場でも過去最大の2000ドル超の下げと、株式市場は大きく崩れている。
コロナウイルス問題をきっかけに、感染拡大を防ごうと人の移動制限や在宅勤務が増え、世界のサプライチェーンが分断されている。
マスクはじめ、一部の生活物資が供給ネックとなってきたりで、世界景気の減速や企業業績の悪化を嫌気してのもの。
そこへ、「OPECプラス」会議で原油の協調減産が決裂したことを受けて、サウジは4月から増産に踏み切ると発表。
原油価格はあっという間に、1バレル27ドル台まで暴落した。 米国のシェールオイル関連企業の資金繰り難がささやかれている。
このままいくと、いずれは債務超過不安が取り沙汰されるだろうし、企業倒産や銀行の不良債権問題も浮上してこよう。
年初からずっと言ってきた、金あまりの張りぼて景気が吹き飛ぶ様相が、いよいよ現実のものになった来たようだ。
それに対し、各国政府や中央銀行はさらなる資金供給と政策金利の引き下げで、金融不安の広がりを押しとどめようとしよう。
おそらくだが、もうその手では何の効果も見られない、そういった状況に近づいていると思われる。
大量の資金バラ撒きや政策金利ゼロで、ここまでバブル高を演出してきた。 それが、行き着くところまで行ってしまった。
もう、その先はないとなれば、ディーリング相場は猛烈な逆回転に入る。 野放図に債務を膨らませてきた企業は、たちまち債務超過に追い込まれよう。
当然のことながら、信用力や格付けの低い発行体の債券など売られ、そこから順に資産の投げ売りが広がっていく。
債券や債権資産の投げ売りが流通利回りの上昇を招き、徐々に市場金利は上昇に転じていく。
最後の砦は、安全資産と思い込まれてきた国債などが、どこまで踏みとどまれるかとなる。 そこが崩れたら、ガラガラポンだ。
ちょっと過激なことを書いていると思われるかもしれないが、経済合理性からいうとむしろ当たり前の方向への回帰である。
すなわち、世界経済全体が正常化に向かう道をたどっているだけのこと。 避けて通れない道である。
そもそも、ゼロ金利やマイナス金利で経済が動くわけがない。 それなのに、資金の大量バラ撒きでもって景気を良くみせかけてきた。
張りぼての景気やバブル高がもたらしてきた資産価値など、風船のようなもの。 空気が抜けると、あっという間にしぼんでしまう。
そういった見せかけの価値が吹っ飛ぶと、残るは本質的な部分だけとなる。 そう、人々の生活に根差した経済活動が存在感を示してくる。
つまり、われわれ長期投資家の拠って立つところにスポットライトが当たる。 待ってましたの展開が、ようやく到来するのだ。
金融や経済の現場あちこちでガラガラポンとなろうと、地球上77億人の毎日の生活はなくなりっこない。
それを支える企業活動も一時として止まらない。 いよいよをもって、さわかみファンドの出番である。
皆さん、さわかみファンドをどんどん買い増してください。 そして、ここからの修羅場を堂々と力強く乗り切りましょう。
明日から徳島出張なので、次回の長期投資家日記は来週の月曜日です。