待ってましたの下げ、どんどん買おうぜ

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世界中の株式市場では、あちこちで記録的な下げが、これでもかこれでもかと襲っている。

NY株式市場では、2月に史上最高値をつけたが、そこから早くも31%強の下落となった。

バブル相場の終わりは、いつもこんな感じで、あっという間にしぼんでいく。

その直前までは、上昇相場の勢いに乗って後から後から買いが入ってくるから、どの投資家も強気で買いまくる。

この高値を買っても、後からの買いで株価をどんどん押し上げてくれる、そういった熱気が市場に蔓延している。

いつでも、いくらでも売り抜けられるという安心感から、投資家は買って買いまくる。 それがバブル相場である。

ところが、後からの買いが途切れはじめると、投資家の間で不安感がよぎりだす。

そこへ、今回のような新型コロナウイルス問題が飛び出てくると、一転して投資家心理は売りに傾く。

しばらくは、バブルの熱気もまだ残っており、下げは限定的で株価の戻りを期待する投資家も多い。

そうはいうものの、後からどんどん買ってくるのを期待して先に買っておこうとする、ディーリング相場特有の熱気は急速に失せていく。

そんなところへ、コロナウイルス問題が世界中に広がり、感染拡大を阻止する動きが一気に高まった。

人々の移動制限や各種イベントの中止などや、生産ラインが寸断されたりで、経済活動全般に急ブレーキがかかってきた。

企業の業績悪化が懸念され出して、株価の下げが本格化した。 それが、この3週間の棒下げである。

ここからが、今日の本論である。 おそらく、マーケットの波乱は金あまりバブルに踊ってきたところ全般へと拡散していこう。

その引き金は、株価全般な大幅下落と、世界の景気減速によって、企業の経営環境が急悪化することだ。

先ずは、原油価格の急落に直撃されているシェールオイル企業あたりが、資金ショートに陥ったりするのだろう。

それを皮切りに、ゼロコスト資金をいくらでも借りられるということで、野放図な事業拡大に走ったり、自社株買いしてきた企業が債務超過に陥って、次から次へと破産しだす。

そうなると、弛緩しきった融資に明け暮れた金融機関の間で、不良債権問題が重くのしかかってくる。

同時並行して、ジャンク債などが売りを浴びて大きく値崩れしていく。 そういった売りが、流通利回りの上昇となって、金利の上昇圧力が増していく。

この悪循環で、金あまりバブルは急速に収縮していく。 各国政府やマスコミは、リーマンショック以上の激震だと大騒ぎしよう。

一方、われわれ長期投資家は冷静そのもの。 たしかに、人々の移動制限などで消費も落ち込み、中小企業の経営も苦しくなる。

また、世界経済の成長率も、3%を切って2%台に落ちていこう。 それでも、プラスなのだ。 つまり、世界経済は拡大し続けているのだ。

そして、なにが起ころうと、人々の生活は消えてなくなるわけではない。 人々の生活を支える企業活動も一時として止まることはない。

株価だけは、異常といっていい売りを浴びて下げてきている。 ここで応援買いしなくては、長期投資家の名折れである。

怖れることは、なにもない。 資金のありったけを投入して、買いまくろう。