企業経営においては、伸びるかダメになっていくかしかない。 このまま現状を守っていけばなんとかなるは、あり得ない。
よく、現状を維持できればいいじゃないか、そういった意見や雰囲気が社内に充満しているケースがある。
多くの社員にとっても、その方が安定的であり、内外の競争に追いまくられることもない。 だから、受け入れやすい。
しかし、すこし長いめでみてみると、そういった会社は徐々に活力を失い、脱落していくことになる。
もっとも、社長から一般社員まで一丸となって、社業の発展拡大でもがいているが、なかなか伸びきれない会社もある。
こちらは、業績こそ伸び悩んでいるものの、決して現状に安住しているわけではない。 それが故に、しぶとく生き残っていく。
ともあれ、いろいろな企業経営がある。 そんな中、昨今はプロ経営者という職業(?)が脚光を浴びるようになってきた。
プロ経営者には業績を飛躍的に伸ばし、株価を上昇させて、株主の期待に応えることが求められる。
かつてのIBMのように事業が伸び悩み、経営が傾きだした会社を立て直したケースでは、さすが経営のプロと高評価される。
ところが、最近は株主の要求が短期で大きな配当金収入を出せとか、株価を上昇させろといったものが多くなっている。
たとえば、米フォード社のように株価が2年3年と低迷していただけで、社長を罷免されたりもする。
つまり、プロ経営者とやらは2~3年で業績を向上させ、株価を上げなければ首を宣告される立場に追いやられる。
そうなると、目先の業績と株価上昇につながるなら、なんでもありの経営が跋扈するのは必定。
そういった後先構わない利益至上主義や株価至上主義は、経済や社会にとってマイナスをもたらすことになりかねない。
企業の持続的発展や、社会に富を生み出すという大事な役割は横へ置いて、ひたすら株主に良かれで突っ走る。
そういった短期の利益回収や運用成績に執着する株主の大きな部分が、われわれが積み立てている年金である。
実に、おかしな話である。 プロ経営者とやらには高給を提示して、短期利益を追い求める経営で、経済や社会を荒らしまわらせる。
今日は、このぐらいにしておこう。 今後、このおかしな現状をいろいろな角度からみていこう。