宝の持ち腐れ

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日本の個人や家計が預貯金に寝かせてある883兆円は、世界最大の眠れる資源である。(日銀速報2018年6月末)

そこへ、タンス預金が45兆円ほどあるといわれているので、合計すると928兆円ほどがゼロ金利下でも有効活用されていない。

それが、日本経済の低迷を招いている最大の要因である。 消費せず、ひたすらお金を抱え込んでいるのだ。

ちなみに、平成に入って28年が終わろうとしているが、その間に家計の現金と預貯金額は560兆円も積み上がっている。

この分が消費にまわっていたとすると、単純計算ながら日本経済は年平均で3.8%の成長を遂げていたはず。

つまり、日本経済の規模すなわちGDP(国内総生産)は2.6倍の1400兆円ほどになっていておかしくなかった。

著しい成長を遂げた中国経済と、いまだ世界第2位の座を競っていた勘定だ。 なんとも口惜しいことである。

そう考えると、個人や家計が預貯金に寝かせてある883兆円は、まったくの宝の持ち腐れである。

一国の運命は、政治指導者の資質による面もあるが、国民がどのような選択をしたかによる面がずっと大きい。

国民の選択に世論形成は大きな役割を果たす。 世論形成のベースとして、新聞やテレビ報道は大きな影響力を持っている。

その点、新聞やテレビは購読者や視聴率に振り回され、いま起こっていることのニュース報道にのめり込んでしまっているのが現状。

10年20年先の日本をどうしていくか、大所高所に立った世論形成に果たすべき役割をおざなりにしている。

政治はというと、選挙で縛られて国民に将来を語れない小粒の政治家が多くなっている。

衆愚とまではいわないが、民主主義の弱いところが露呈しまくった政治がずっと続いた。 それが、今日のだらしない日本をつくってしまった。

このままでいいのかと、日本の将来を憂う人は多い。 その人たちが日常の身近な行動で、より良い日本をつくっていく運動を盛り上げたいものだ。

具体的には、長期投資の世界にどんどん入ってきてもらうことだ。 そうすれば、先ずは宝の持ち腐れである預貯金を動かせる。

883兆円の預貯金マネーを長期投資に向けることで、すごいエネルギーでもって社会を変えられる。

われわれ一般生活者が政治抜きでも、またああだこうだ抜きでも、より良い社会をつくっていけるのだ。

大事なのは、生活者投資家あるいは生活者株主がどんどん増えていくこと。 それだけである。