日大のアメフト部のタックル問題が、マスコミそして世間を賑わせている。
事の真相はともあれ、まったく美しくない行為である。 スポーツの最大の魅力は、フェアプレーで全力を出し切るところにある。
それなのに、勝つためには手段を択ばないという方向へ突っ走ってしまうなど、スポーツ精神ないがしろもいいところ。
正々堂々と戦い、勝負はその時の運として、敗者をも讃えるスポーツマンとしての美学は一体どこへ行ってしまったのか。
これは、今回の問題だけではない。 自分さえ良ければ、上手く立ち回れば、とにかく勝てれば、それで良し。
まわりのことや、後のことなど知ったことではない。 そういった価値観は、社会に充満している。
ちなみに企業経営においても、投資運用の世界でも、根深い問題となってきている。 このままいくと、資本主義経済そのものを自己否定しかねない。
企業は株主のものだからと、株主の利益を短期的に最大化させろと企業に迫る。
そういった要求は、アクティビストなどえげつない連中からだけではない。 年金や金融機関も同調しているのだ。
大株主が短期の利益回収を狙って、配当増額や自社株買いを要求すると、企業は社会や環境あるいは倫理観などそっちのけで、目先の利益追求に走るしかない。
最近はやってきている ESG 投資は、まさに企業の短期利益追求が酷くなりすぎた結果、その反省から出てきたもの。
いまさら環境や社会意識が高く、企業統治がしっかりしているところを選別して投資しましょうなんて、お笑いもいいところ。
一般生活者の資金を預かる年金や金融機関が、社会や環境お構いなしの短期利益追求に走るのは、本末転倒そのものである。
どれもこれも、美しくない。 どうしたらいい? われわれ長期投資家が一般生活者の支持を受けて、どんどん大きくなることだ。
そして企業に対し、社会に良かれとする長期視野の経営を求めていくことだ。 一般生活者の支持が大きくなればなるほど、われわれの大株主としての立場も強くなる。