土曜日に「お金をまわそう基金」のセミナーをやった。 特別講師の土井さんのお話が、すばらしかった。
土井さんは30数年にわたって北九州市で「お帰りホーム」を運営し、数えきれないほどの子供たちを社会に送り出している。
暴力親とかいろいろな理由で、普通の子供たちのように育っていないし、学校も通えない。
食べ物も満足に与えられていない、それで公園やコンビニのゴミ箱から残り物を漁っている。 栄養状態が極端に悪いから、心身の発達にもブレーキがかかっている。
子どもたちにとっては親を選べない。 たまたま、そこに生まれてしまっただけで、悲惨な人生のスタートを切る。
そういった子たちを自宅に引き取って、3度の温かい食事と安心して暮らせる環境を、土井さん夫婦と妹さんとでずっと提供してきたのだ。
引き取ったものの、これまでの環境が酷すぎたのか暴力に走ったり、感情を押えられなくなる子が多い。
それでも、時間の経過とともに普通の子供のように中学高校を出て、2~5年遅れで社会に巣立っていく。
もし、土井さんのところに縁がなかったら、その子たちの人生は暗く辛い方向にズルズルと引きずり込まれたであろう。
30数年にわたる「お帰りホーム」活動をうかがっていると、恵まれすぎている我々は何かお手伝いしないと申し訳ない気持ちになる。
とはいえ、土井さんのように子どもたちと一緒に365日24時間過ごすのは、とてもではないができそうにない。
だったら、寄付を通して、たとえば「お帰りホーム」のような活動を、いくらでも応援させてもらえる。
全国でみると、酷い人生のスタートを切る運命に放り込まれた子供たちは、10万の単位に上るとのこと。
同時に、土井さん夫婦のように子どもたちを温かい環境で育ててあげたいとする有志の人たちも一杯る。
絶対的に不足しているのは、お金である。 家を改造して子供たちを受け入れる準備をしたり、冷蔵庫や洗濯機を買い入れたりで、初期コストは結構かかる。
そういったスタート資金をお手伝いさせてもらうことで、どれだけ多くの子供たちが「普通の人生」を送れるようになることか。
セミナーには50名ほどの参加があった。 大半が同じような方向で活動している人達だ。 ただし、活動している人達の集まりで終わっては、あまりにもったいない。
そこで〆の話として、次回からはお仲間に声をかけて、3人でも5人でも連れてきてくださいと訴えた。 そしたら、100~150名は集まるはず。
ごく普通に生活している人達でも、こういったセミナーで土井さんのお話を聴けば、自分も何かさせてもらいたいとなる。
そういった共感の輪を広げていくことが、寄付の文化の醸成に大事な第一歩となる。
長期投資のセミナーでも同じで、先ずは来てもらおう。 来てもらうことで、共感が生まれ行動が始まる。
とにかく、できるだけ多くの人に来てもらうようにしよう。