機関投資家はベンチマークがすべて?

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よくベンチマークという言葉を眼にするが、あれは機関投資家が顧客資金を運用するにあたって、目標とする数値などである。

機関投資家は顧客から運用資金を預かってはじめて、運用もできるし商売にもなる。

その運用資金獲得のマーケティングだが、なんらかの目標を提示しないと顧客を説得できない。

そこで、ベンチマークというものを持ち出す。 たとえば、日経平均株価や TOPIX といった株価全体の値動きに対し、ウチはどのくらい上回るのを目標としていますとか。

運用資金を預ける顧客の方も、平均株価を上回る成績を出してくれるのなら、お願いしようかとなる。

また、ベンチマークは成績評価をする時にも、ひんぱんに持ち出される。 平均株価を2~3%上回る成績を目標にしますと言っていて、4%を超して上回ったら鼻高々である。

あるいは、平均株価が11%下落したのに対し、預かっている資金は7%の下落で済んだとなれば、堂々と胸を張れる。

ところが、よくよくみていると平均株価に対し、それを上回ったから立派とか、少し下回ってしまったとかを機関投資家は語り合っている。

つまり、ベンチマークが平均株価そのものになってしまっているのだ。 そこから先は、平均株価をなどるインデックス運用でいいじゃないかとなるだけのこと。

そこまでいくと、もはや投資の醍醐味といったものが、まったく感じられなくなる。

ただただお金が殖えればいい、それも平均株価並みにでは、どうも夢がない。 面白みもない。

顧客の大事な資金を預かる機関投資家は、夢よりも着実を追いかけるべしと言ってしまえば、それまでのこと。

そういった一般的な機関投資家運用とは一線を画し、夢を追いかけつつも抜群の運用成績を残している機関投資家もいる。

ウチのさわかみファンドがそうだ。 長期投資で良い社会をつくっていこうよという旗印の下、設定来でみると日経平均に対し2倍の差をつける実績だ。

どちらに預けた方が、投資家顧客は楽しいだろうか?