新年初めての市場を大発会というが、今年の大発会はすさまじい上昇となった。
大発会で、これだけの株価上昇は、ちょっと記憶にない。 例年なら、お屠蘇ボケではじまるのに、今年は急騰もいいところだった。
別にこれといって、株買いの好材料が出たわけではない。 それでも、すごい勢いで株価は上昇していった。
昨日の株価上昇の殆どは、出遅れた投資家たちによる大慌ての株買いとみていいだろう。
一部には、売り方が大損を蒙っての買い戻しに追いやられた分もあろう。 買い戻しを急がないと、損失がどんどん膨れ上がってしまう。
そういった売り方の買い戻しは一過性のものであって、売りポジションがなくなれば、そこで終わりとなる。
一方、出遅れ投資家の買い急ぎは、どこまで続くか見当もつかない。 株価が上昇すればするほど、あちこちから買いが集まってくる。
そうはいうものの、一つだけ注意しておきたいことがある。 それは、出遅れ投資家たちの買い急ぎが高じると、当面の株価天井を形成するということだ。
大慌ての株買いが集中すると、株価はピンポン玉のように跳ね上がっていく。 それをみて、さらなる買いが群がり集まってくる。
裏を返すと、当面の買いエネルギーが一気に出て、出尽くしてしまうということだ。
買いが出尽くしてしまえば、さしもの上昇相場も腰砕けとなる。 すると、今度は売りが集中して株価は急落に向かう。
大損を食らった売り方は捲土重来を期して、ここぞとばかり売りかぶせてくる。 かくして、相場は暴落する。
われわれ長期投資家は、こんな上昇相場を大慌てで買うことはない。 むしろ、利益確定の売りを重ねていって、次の買い場を待つための現金づくりを優先する。
たとえ、このまま上昇相場が続いていっても、利益確定と現金づくりの姿勢は変えない。
なぜなら、上に書いた株価形成の展開で、どんな上昇相場も、いつかは下降に転じるからだ。
強烈な上昇相場が続けば続くほど、潜在的な買いエネルギーまでもが枯渇していって、より大きな暴落相場となるだけのこと。
したがって、われわれ長期投資家はこの株価上昇に浮かれることなく、次の買い場のための準備を着々と進めておこう。
もちろん、さわかみファンドへのご入金は現時点の高値でも、いつでも大歓迎である。
運用サイドが、長期投資のリズムをしっかりと守って、「買う時は買い、売るときは売って」くれているのだから。
軍資金が多ければ多いほど、先を読んで打つ手に余裕が出てくる。