情報価値

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 情報社会といわれるが、その使いこなし方については、それほど意識されないようだ。

 知りたことがすぐ手に入って、すぐ行動に移せるという意味での情報というものが、一般的な情報の価値とされている。 最近では、ネットでの検索が大きな役割を果たすようになってきている。

 ただ、それだけの情報ベースで行動する人が多くなると、そこから生まれる展開はある程度の予測がつく。 みなが同じような判断基準で動けば、大体お決まりの結果に収まっていく。

 最近のマーケットが、この類の展開となっている。 情報の同時化と迅速性がマーケット参加者に共有される度合いがどんどん強くなってきて、そこから生まれる価格情報が世の中を動かす原動力となる。 その結果、世の中の動きがやたらと過剰反応しがちで、右へ行ったり左へ戻したりの振れを大きくしてしまう。 それが、多くの人々を右往左往させて、社会の不安感を増長させることにもなりかねない。

 情報というものは、ネット検索だろうがデータベースだろうが、単なる一断面に過ぎない。 あるいは、情報を流してくれた人の個人的組織的見解であって、それ以上のものではない。

 やはり、いろいろな情報を集めては組み立て直してみる作業が欠かせない。 その作業を経ることで、自分なりの価値観に基づいた判断というものが出てくる。 そういった多様な価値判断をベースとした市場参加者が増えることで、マーケットの価格形成機能が存分に発揮されるようになる。 それはそのまま社会の安定につながっていく。

 マスコミは、いま社会の関心が高い話題について、これでもかこれでもかと情報を流してくれるが、それらをどう組み立てて自分の行動につなげていくかは、われわれ一人ひとりの問題である。