運用成績と資産形成は違う

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一般的な投資運用では、これこれで儲かった、今年の成績は良かった、成績順位で上位にいるなどで評価される。

そういった評価が新聞紙上で踊り、マスコミがやたらと煽ってくれる。

はっきり言っておくが、そのような評価で喜んでいるのと、長期の資産形成とは別物である。

そう、マスコミなどの成績評価に踊らされていると、長期の資産形成がズタズタにされてしまう懸念が大なのだ。

なにが、どう違うのか? マスコミなどは、できるだけ客観的な評価、それもデータでもって報道しようとする。

となると、どうしてもある程度の期間での数字を横に並べて、運用者の優劣を比較評価することになる。

そこで飛び出てくる、ある程度の期間というのが、大きな問題となってくるのだ。

どういうことか? そういった比較評価の期間は、1年毎から、3年5年ときて10年ぐらいが、ほとんどである。

それらの期間での高評価と、20年30年を超えて40年の資産形成とは、相容れぬものが多々ある。

たとえば、3年とか5年の好成績が、その後どこまで続くかは保証の限りでない。

また、10年の成績といったところで、リーマンショック後のカネ余り上昇相場に乗っただけという面も否定できない。

ということは、空前のカネ余りマーケットがいつまで続くか、その後はどうなるのかといった疑問が残る。

だからといって、20年を超す運用実績を比較評価しようにも、その対象ファンドがほとんどないのが日本の実情である。

あるいは、たとえ30年の実績がすごいといっても、社会や経済環境がどんどん変わっている。

したがって、その先も好成績が期待できるかは誰にも分からないじゃないのか、そういった反論も出てこよう。

では、どうしたらいいのか? 本物の資産形成はデータなどの定量分析で評価するものではない、そこを抑えよう。

大事なのは、資産形成を託そうとする運用会社の長期投資哲学や経営理念をチェックすること、それに尽きる。

20年を超えて、30年40年と時は移り行くが、それを乗り越えて安定度と再現性の高い運用をしてくれるかだ。

そこは、まさにわれわれ本格派の長期投資家の世界であって、マスコミなどの評価に右往左往するものではない。

その点、「さわかみファンドの運用は、まったくブレませんね」というマスコミ評価は、最高ランキングに値する。

言っていることと、やっている運用が、25年まったく同じ。 それが、まさに哲学である。

この安心感と信頼感こそが、長期の資産形成を託そうとする人々にとっては、最高の判断材料となる。