リーマンショック後、15年間も空前のカネ余り高値追い相場が続いてきたが、いよいよ息切れなんだろう。
先月、1987年10月のブラックマンデーを上回る大幅下げを記録したが、その後の戻りは限定的である。
とはいえ、まだ債券市場は頑張っており、金融緩和バブル崩壊にまでは至っていない。
それでも、カネ余りをいいことに買い上がってきた投資家たちからすると、悩ましいマーケット展開となってきている。
6日に予定されている米FRBのパウエル議長による政策金利の引き下げ発言も、早々と先取り買いしてしまった。
当初は0.25%ぐらいの引き下げとしていたのを、いつの間にか0.5%幅と期待を広げてきた。
そして、政策金利の引き下げを1回ではなく、2回いや3回あると予測する声さえも広がっていた。
どれもこれも、さらに買い上がる材料として投資家や市場関係者の都合の良いように期待されてきただけのこと。
期待のあまりの先走りに対し、株価上昇の勢いが鈍ってくるや、売りが出やすくなるのは避けられない。
これまでのカネ余り買いも、さしたる根拠はなかった。 ただ、カネ余りの勢いに乗ってきただけのこと。
それに対し、株価上昇の勢いが翳ってくるや、売りが出てくるのは避けようがない。
まだ、ともかくは売っておこうぐらいの下げではあるが、そのうち売りが売りを呼ぶ展開となっていくのだろう。
さしたる買いの材料が出てこなくなると、高値警戒感が高まってくるのはマーケットの自然の姿である。
そういった状況下で、なにか大きな悪材料が出るや、マーケットは大崩れとなる。
そこが、カネ余りバブル高マーケットの末路のはじまりとなる。
今度は本格的な売りが殺到し、収拾のつかない本格的な下げ相場となっていく。
ここまで大きく買い上がってきたこともあって、マーケット内の買い残高は大きく膨れ上がっている。
その買い残高が一斉の売りに曝されるのだ。 凄まじい売り地獄となろう。
やっかいなことに、インデックス運用がやたらと大きくなってきた。
玉石混淆のインデックスそのものが一斉の売りに曝されると、マーケット全体の棒下げとなり、もう止めようがない。
これが、個別株投資のマーケットの大崩れだと、同じ棒下げでも様相が違ってくる。
玉とされる企業の株価にはどこかで買いが入ってくる一方、石ころのような企業の株価は奈落の底へと堕ちていく。
その点、インデックス運用は石ころに引きずられて、どんどん沈んでいくのは避けられない。
そろそろ、そういった修羅場も意識しておきたい。
もちろん、われわれ本格派の長期投資家はなにも慌てないが。