気迷いの膠着相場

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金融緩和バブルも最終局面にさしかかって来ているのは、ほぼ間違いない。

ただ、その踏ん切りがなかなかできないのが、最近の膠着相場なんだろう。

踏ん切りがつかない? おそらく、それはコンピューター運用が主体の相場になってきているからだろう。

コンピューターにプログラミングされるのは、ディーリング運用だと、相場に密着して上でも下でも、とにかく値幅を取りに行けという指示だ。

また、一応は運用するとかいっている機関投資家たちも、ほとんどが平均株価などインデックスにつかず離れず、ただついていくだけのこと。

その作業をコンピューターにやらせているから、こちらも「プログラミング通りの運用」を超えない。

そう、どちらも主体的な投資判断というものは求められていない。 マーケットの動きについていくだけだ。

これが、日本はもちろん米国はじめ世界の株式市場で、最近ずっと膠着相場の展開が続いている最大の要因といえよう。

投資運用で一番の妙は、どう投資判断するかだ。 すなわち、ここらあたりが潮時とみれば、独自の判断で売りに入る。

決して、平均株価など全体の動向を見ながら、それに対応しようなんて考えはしない。

そんなことしていたら、相場動向に後手を指すことになり、売るに売れなくなるリスクを抱え込んでしまう。

もちろん、われわれ本格派の長期投資家は、バブルと思えば早い段階から売りに入るが、これも独自の投資判断である。

この、ここらあたりが潮時と判断するのは、コンピューターの領域ではない。

やはり、投資家の経験からくる読みと、リスク感覚やバランス感覚からくる直感によるところが大きい。

最近の株式市場では、そういった人間の関与がめっきり少なくなってしまった。

それで、そろそろ潮時だといった独自の投資判断に基づく行動が、なかなか出てこない。

これは、なにを意味するのか? 知れたこと、ある日突然に市場全体が一気の崩れに叩き落されるのだ。

その時は、コンピューター運用が大活躍する。 下げがはっきりしてきたから、すごい勢いで売り注文を出す。

下げれば下げるほど、どんどん売り注文を出す。 バランス感覚なんてものはプログラミングされていないから、売りを止められない。

今回のバブル崩れは、そういった突然、それも一気呵成の暴落相場となっていくのかもしれない。

どちらにしても、バブルはバブル、どこかで崩れるのは間違いない。 早めに遠ざかっておこう。

そして、暴落が一段落したあたりから、バーゲンハンティングに入っていくのだ。