新しい資本主義とかの根幹は、いかにして日本経済や社会を活性化させるかだろう。
経済や社会の活性化には、国民一人ひとり、そして企業も前向きの姿勢と行動が欠かせない。
前向きの姿勢で行動していれば、自然と夢も広がっていくし、自信も生まれてくる。
もちろん、行動してすべてうまくいくとは限らない。 うまくいかなくても、前向きの姿勢があれば挑戦意欲が湧いてくる。
とりわけ経済においては、前向きの姿勢から生まれてくる、アニマルスピリッツが重要な役割を果たす。
幸い、日本は自由主義経済下にあるから、個人も企業も好きなことをやれる。
また、資本主義の良いところとして、個人も企業も好きなだけ利益を追求できる。
だから、好きなことをやって、好きなだけ利益を追求して、存分にアニマルスピリッツを発露させていいのだ。
もっとも、好きなだけアニマルスピリッツを発露するといっても、世の中がついて来れなければ一人相撲となってしまう。
つまり、なんでも自分勝手にやっていいが、それは常に社会の評価にされされているわけだ。
世の中が良いよねと受け入れてくれる間は、好きに行動し、好きに利益追求できる。
この、世の中が受け入れてくれるかどうか、そこに自ずからブレーキがかかってくる。
この世の中からのブレーキ作用が、自由主義そして資本主義の健全性を担保してくれるわけだ。
ところが、昨今の日本は個人も企業も、多くはアニマルスピリッツを発露させるどころではない状態に甘んじている。
問題の第1は、はじめから自分にブレーキをかけてしまっている個人や企業の、なんと多いことか。
その一断面として、成熟ボケというか繁栄ボケがある。 このままでも、なんとかやっていけるから、もうそれで十分といった現状維持思考だ。
企業でいったら、どんどん伸びていくか脱落していくかしかない。 現状維持なんてのは、脱落への道である。
第2は、官庁の関与が多すぎることだ。 お役所の論理は、アニマルスピリッツから最も遠いところにある。
なにをするにしても前例主義で、新しいことにはブレーキをかけたり、規制の網をかぶせようとする。
その典型は、働き方改革とやらである。 ワークライフバランスはいいが、やみくもな一律化がどれだけ日本人の特性である勤勉さを削いでいることか。
第3は、既得権の壁である。 よく政官民の癒着が問題視されるが、実に巧妙に張り巡らされた障壁が多くの新規参入を阻んできている。
このように、問題だらけである。 さは然りながら、そういった壁をぶち破っていくのも、アニマルスピリッツである。
ウチの、さわかみグループでは「よりよい社会をつくっていこう」で、突っ走っている。
まさに、アニマルスピリッツの塊である。