昨日のNY市場はロシア軍のウクライナ侵攻で大幅に下げたが、引けにかけて株価は戻してしまった。
ここまでの下げで、ウクライナ問題は株価に織り込まれたという判断なのか?
あるいは、地政学的リスクが高まって来ているので、利上げのピッチも下がると読んでいるのか?
ともあれ、米国を中心にして投資家の間では、まだまだバブル感覚が健在のようだ。
それで、思わず「いい根性してるよ」と、表題に記した次第である。
株式市場など相場のことは神のみぞ知るの世界だが、経済の展開についてはそれなりに予測はできる。
たとえば、ウクライナ問題だ。 ウクライナはまだNATOに加盟していないから、ロシア軍の一方的な侵攻で終わる可能性が高い。
つまり、NATO軍や米軍が戦闘に参加することはないから、せいぜいウクライナ軍とロシア軍との戦闘までだ。
とはいえ、経済的な影響はこれから出てくる。 それは世界経済にも及んでいく。
たとえば、この先どんな展開となっていくのか知れないが、原油や小麦はじめ食料価格の高騰は免れない。
それが一時的な高騰なのか、しばらく続くものなのかは別として、間違いなくコストプッシュ型のインフレ要因となる。
ロシアからの天然ガスの供給が減ると、それだけ世界のエネルギー需給をひっ迫させる。
現に、原油価格の世界的な指標であるWTIやブレント価格は、1バレル100ドル前後まで急騰している。
これから季節が温かくなっていく分だけ、エネルギー需要は緩和されるとしても、エネルギー価格は高止まりしよう。
一方、世界でも有数の穀物生産国であるロシアとウクライナだ、食糧価格への悪影響は避けられない。
ロシアは西側からの経済制裁によって、ウクライナは国内不安でもって、どちらも輸出が大幅に縮小しよう。
とりわけ、ウクライナ産の小麦が入手困難になると、中東諸国へのインパクトは大きい。
それが、新たなる地政学的リスクを誘引することも、念頭に置いておこう。
以前にも書いたように、コストプッシュ型のインフレは世界あちこちでボトルネックとして連鎖していく。
まあ、今回のロシア軍のウクライナ侵攻で、世界のインフレは加速すると読んでいいのだろう。
当然のことながら、金利は上がるし、金融緩和バブルの崩壊も早くなろう。