インフレ不可避の世界(前篇)

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表題(仮題)の新著が、2月末から3月初めにかけて出版される方向で執筆を急いでいる。

1月末までには脱稿というスケジュールとなっているが、相当に厳しいものがある。

なにしろ、やることが一杯ある。 ましてや新年だ、とてもではないが執筆だけに集中できそうにない。

とはいえ、タイミング的には3月初めの出版では遅いぐらい。 したがって、なんとしても1月中には脱稿する。

どうして、そうも急ぐのか? 以前から主張してきているように、金融バブル崩壊はもういつ始まってもおかしくない。

その前に警告を発し、できるだけ多くの人たちにバブル崩壊の津波から逃げておいてもらいたいからだ。

で、新著の書名が「インフレ不可避の世界」となっているのは? バブル崩壊ではないのか?

襲ってくる大津波は、金融バブル崩壊から資産デフレ、信用収縮、金利上昇、インフレに発展していく複合型だからだ。

あるいは、その順番が逆となるかもしれない。 それで、インフレ不可避の世界としたわけだ。

複合型? おそらく、全部まとめて出てくるだろう。 そこが、通常のバブル崩壊との決定的な違いだ。

新著に詳しく書くが、世界経済は虚構を積み重ねた上に立っている、砂上の楼閣みたいなものである。

しっかりとした骨格がないから、ひとたび崩れに入ったら、あちこちで崩れが連鎖する。

たとえば、GAFAMに象徴される米国株が堅調で、DX化とかAI社会とか世界が進むべき道を示唆しているかの様相を示している。

しかし、その裏にはこれでもかこれでもかの金融緩和とゼロ金利政策によって押し上げてきた株高がある。

そして、米国で上位10%の家計が株式と投信の保有の89%を占有している(6月末)という、歪んだ構造が背景にある。

株高の受益者、つまり金融所得のすさまじいまでに歪んだ社会配分構造である。

その背後には、米国最大の圧力団体である金融ロビイストたちが控えていて、株安につながる政策はすべて握りつぶしているのだ。

一例をあげたが、経済や社会の歪みは、世界あちこちでますます酷くなっている。

幸か不幸か、経済活動のグローバル化が進んだ。 それで、ひとつの崩れが世界中に連鎖することになるのだ。

だから、いろいろな問題が複合型で経済や社会に襲いかかってくる混乱が近いと読むわけだ。

で、どうしたら大津波から逃れらるのか? 続きは、明日書こう。