インフレ不可避の世界(後編)

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昨日の続きとなるが、金融バブル崩壊で引き起こされる複合型の経済混乱を、どう軽微の傷で乗り切るかを考えてみよう。

第1に、先ずはなによりも現在進行中の金融バブルからは、一刻も早く離れた立ち位置を確保すること。

それには、バブル化していると思われる資産勘定は、すべて売っておこう。 売れるうちが、花である。

株式や債券はじめ金融商品そして不動産関連の中で、相当にバブル買いされているものには、その反動ですさまじい売りが集中する。

そうなってからでは、もう売れっこない。 いまの間なら、いくらでも売れるし現金確保もできる。

第2に、資産の置き場所を徹底的に絞り込むこと。 売って得た現金も同じこと。

バブル崩壊による社会や経済の大混乱、そしてインフレ到来ともなれば、預貯金にしておくのは愚の愚である。

金融機関の経営も揺らぐから、預貯金は決して安全ではない。 また、インフレで現金の価値も下がる。

一番安全なのは、本格的な長期運用をしてくれる投信を買っておくことだ。

投信ならば、顧客資産は信託財産として保管管理されるから、たとえ預かっている信託銀行が潰れても絶対安全である。

そして、その投信が金融バブル崩壊を見越した運用をしてくれているのなら、運用の面においても安心である。

もうひとつは、地味ながらも今後も安定的に経営を続けていってくれるであろう企業の株式を買っておくことだ。

そういった企業であれば、なにが起こっても潰れッこない。 つまり、資産の置き場所として安心できるし、インフレにも乗れてしまう。

第3に、金融バブル崩壊・資産デフレ・信用収縮と金利上昇・インフレ到来など、どんな混乱が起こったところで人々の生活は続く。

そこに焦点をあてた生き方や資産運用に、一刻も早くシフトしてしまうことである。 そして、自助自立の精神に徹する。

それ以外、国の政策も含めて、なに一つとして当てにしないことだ。 社会や経済の大混乱ともなれば、なにも当てにできない。

そう割り切って、自助自立の生き方を徹底しよう。 その上で、なんらかのサービスが受けられたら儲け、そのぐらいの受け取り方に期待の度合いを下げてしまう。

資産運用でも、なにがあっても潰れっこない企業の株式のみに絞り込んだ、長期投資に徹するのだ。

よく考えてみよう。 これらのどれもが、経済活動の原点である。 そこに立ち戻るだけのことだ。