さあ、世界のカネ余りも収束に向かうぞ

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米FRBのパウエル議長が、金融緩和の縮小スピードアップと、来年からの利上げを発表した。

結構なことだ。 インフレ懸念が高まっており、このまま金融緩和を続けるのは危険。

早めに、じゃぶじゃぶのマネーを吸い上げる方向へ、金融政策の舵を切るべしとの判断である。

とはいえ、景気回復のトレンドに水を差したくない。 また、株価の急落も避けたい。

それで、テーパリング(金融緩和の段階的縮小)のスピードを上げて、来年の早い段階で金融緩和政策に終止符を打つ。

その後、来年中に3回ほど、小幅な利上げに踏み切りたいという政策方向である。

その発表を受けて、NY市場も東京株式市場も大幅高を演じている。

想定内の発表だったということで、むしろ安心感が広がって、買いの注文が殺到している状況である。

まあ、安心買いも、せいぜい一時のことだろう。 ここで強気になる投資家の気が知れない。

なにしろ、世界の中央銀行ともいわれている米FRBから、「カネ余りバブル高も終わり」の号令が下されたのだ。

世界の多くの投資家は、いまだにこのすさまじい金融バブルに、どっぷりと浸った状態にある。

それもあってだろう、パウエル議長の発言を安心買いの材料と勝手に解釈している。

まあ、好きに強気を張っているがいい。 それも、いまの間だけのことよ。

これから、テーパリングの加速と来年からの利上げは、じわじわと効いてくる。

考えるまでもなく、じゃぶじゃぶだったマネーが徐々にそして加速しながら吸い上がっていく。

それはそのまま、株式市場などマーケットに流入している資金が、静かに引き揚げていくことを意味する。

つまり、バブル買い資金の枯渇化だ。 そして、利上げは現状の超低利回り投資全般に対して売り勧告となる。

それは間違いなく、債券市場を揺さぶりだすことになろう。 とりわけ、信用度の低いジャンク債などに赤信号がともる。

どこかで、大きなデフォルト(償還不能)が発生したが最後、債券市場全体の急落もあり得る。

まあ、いろいろな問題が発生しようが、それらはバブル崩壊へ向かっての導火線となっていく。

長く待ち望んでいた、この異常なカネ余りバブルの終焉が、いよいよ始まるのだ。

すなわち、われわれ本格派の長期投資家にとっては真骨頂を発揮する時の到来となる。