今年で5年目となった徳島でのオペラ公演だが、素晴らしい大成功を収め、大きな飛躍への足掛かりを固めた。
昨年までは、すごく良かったけど舞台が寂しかったねと、来客の皆さんから口々に言われた。
これだけ素晴らしいレベルのオペラだから、チケット代をもっと上げたらとも言われた。
誰もが買って行ってみようと思えるチケット代で、出来るだけ多くの地元の人々に足を運んでもらいたい。
その理念でやっているから、チケット代4000円は引き上げない。 先ずは、多くの人に来て楽しんでもらうことだ。
ならばと、クラウドファンディングを実施して、徳島市民を対象に12月のオペラをより素晴らしいものにしようと訴えた。
ありがたいことに、308万円も集まったから、舞台、照明、演奏の充実に、そのお金をつかえた。
その結果、主催しているこちらも驚くほどの素晴らしい舞台で、信じられないほど立派なオペラ公演ができた。
来ていただいたお客様方も、4000円でこんなに素晴らしいオペラを楽しめるなんてと、その価値をたっぷりと味わってもらえた。
クラウドファンディングに協力してくれた人たちは、自分たちのお金でこんなにも立派な公演になるのだと大満足してもらえた。
実は、もっとおもしろいことになっているのだ。 一般市民でつくっている合唱団が年々レベルを上げている、それもびっくりするほど。
今年で3年になるが、皆さんには1年間を通しての稽古を積み重ねた上で、本番の舞台に乗ってもらう。
こちらは本格的なオペラをやっていこうとしているから、音楽面での妥協は一切しない。
舞台に乗りたいのなら、それだけレベルアップしてもらう。 そう厳しく言い渡している。
6歳の少年から、80歳代のおばあちゃんまで59名が、みな真剣に1年間の稽古を積んでもらう。
それが、いいみたいなのだ。 皆さん挑戦意欲をもって、稽古に励むことがむしろ楽しいし、やりがいを覚えるようだ。
そこへ、1年間かけて懸命につくり込んだ自分たちの歌と演技を、本番で多くの観客の前で披露する満足感も加わってくる。
12月4日の公演が大成功裏に終わった瞬間、59名の皆がもう来年に向けての挑戦意欲で燃えだしている。
素晴らしい好循環である。 面白がって、レベルアップの挑戦をして、やり遂げる楽しみと、さらなる挑戦意欲をかき立てるなんて。
合唱団だけではない。 助演で参加した人たちも、裏方で手伝ってくれた人たちも、みな12月のオペラをつくり込んでいく面白がりで乗っている。
来年からは、地元の商店も店を出してくれることに。 こういった地元の人たちの盛り上がりでオペラ公演ができるなんて、なんとも楽しいことだ。