世界の株式市場はじめ金融マーケットは、しぶとく高値圏に張り付いている。
われわれ本格派の長期投資家からしたら、現在進行中の金融バブルはもう時間の問題で崩れるだけのこと。
したがって、一刻も早くバブル崩壊に備えた投資ポートフォリオに切り替えるべしとなる。
ところが世界の現状は、カネ余りの勢いに乗ったバブル高の相場が続いている。
世界の投資家のほとんどが、バブルの認識を高めたり、警戒感からマーケット離脱を考えようとはしていない。
いずれも、空前のカネ余りで行き場のないマネーを抱えて、マーケットにどっぷりと浸かっている。
そこでだ、今日は違う角度から考えてみよう。 頭の整理をするのだ。
そう、これがバブルでないとしたら、これからどのような展開となっていくのだろうか、そのあたりを考えてみよう。
先ず、このバブル高の株価が崩れることなく続いて、その内に現在の株価水準が地相場となっていくとしよう。
そのためには、世界経済が5%どころか10%前後の成長をずっと続けるといった、ファンダメンタルズの後押しが不可欠。
それだけの高成長を可能にするような巨大投資ブームがやって来るとしたら、なにが起こるか?
すさまじい資金調達ブームが訪れて、世界のマネーは経済の現場にどんどん吸い込まれていく。
ということは、株式市場などからのマネーの引き揚げが大量に発生し、株価は下落する。
そうなると、カネ余り相場の幸せ感は瞬時に吹っ飛び、投資家は現金づくりの売り地獄に放り込まれる。
次に、世界の債券市場が天井圏に張り付いたままの高値を今後もずっと維持するとしようか。
それは、世界とりわけ先進国の金利がゼロ同然の水準を維持し続けることでもある。
となると、財政赤字に苦しむ各国政府は、金利上昇の心配なく国債を止めどもなく発行し続けよう。
国債の発行残高が野放図に積み上がっていくと、一体どうなることか?
一部の経済学者が唱えているMMT理論によると、インフレにならない限りいくら国債の発行残が増加しても構わないとのこと。
しかしながら、大量に供給されたものは、その重みで必ず値崩れを起こす。 それが経済の常識である。
そう、世界の債券市場はこの先どこかで大崩れするしかないのだ。
その時は、債券利回りつまり長期金利の急上昇という事態を招き、債券市場も売り地獄に落ちていくしかない。
こう考えてくると、やはりこの金融バブルはどちらにしても崩れるだけのこと、そう結論付けたくなる。