NY市場が続落して、この2日間でNYダウ平均株価は1000ドルほど下げた。
このままズルッ、ズルッと下げが続いてくれるとありがたい。 このカネ余りバブルも、いよいよ本格的な崩れに入っていく。
昨日も書いたように、国や中央銀行が胴元になった株高誘導なんて、経済合理性を踏みにじる暴挙である。
後で必ず、凄まじい反動がやって来る。 株高で支えてきた経済の現場は、当然ガタガタに崩れ落ちる。
それだけではない。 いつのバブル崩壊でも襲ってくる巨額の投資損失や評価損それに資産デフレで、信用は一気に収縮する。
そこへ、財政赤字問題や中央銀行の財務急悪化が大きな社会不安にまで広がっていく。
なにしろ、国や中央銀行があれだけ大量に資金を供給したのに、その大半がバブルの泡となって消えてなくなってしまったのだ。
そうなると、いまのカネ余りがウソだったかのような資金不足が、経済全般や社会に覆いかぶさってくる。
当然のことながら、信用収縮と資金不足は市場金利の急上昇を招く。
政府当局がいくら政策金利をゼロ同然に抑え込んでおこうとしても、市場での取引金利はお構いなしに上がっていく。
これらのどれもが、バブル高の反動である。 上がったものは下がる、それが自然の摂理である。
これだけ異常なまでの金融緩和を深掘りしてきたから、その反動も前代未聞の大きさとなるだろう。
経済合理性を踏みにじって、人為で押し上げてきた景気や株高は、まさに往きはよいよい帰りは恐いである。
ここまで書いてくれば、バブル崩壊は早ければ早いほど傷は浅いという結論に達しよう。
それが、この長期投資家日記の主張するところである。 ずっと、このカネ余りバブルに警鐘を鳴らしてきた。
もちろん、われわれ本格派の長期投資家は驚くなかれ、10数年前からバブル離れを実行してきている。
そのベースとするところは、人々の日々の生活であり、それを支える企業活動である。
つまり、なにがあっても消えてなくならない実体経済から一歩も離れることなく、長期投資の道を進んでいるわけだ。
したがって、世の中が大混乱に陥ったところで、こちらは何も慌てない。
われわれのホンモノ度合いは、放っておいても世の認めるところとなろう。