山高ければ、谷深し

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世界の株式市場はじめ金融マーケットは、しぶとく買い人気を集めている。

とはいえ、辛うじて上昇基調を保っているといった雰囲気が感じられだしているのも否定できまい。

われわれ本格派の長期投資家からすると、こんな金あまりバブル高は、そういつまでも続かないの一言。

それよりも、山高ければ谷深しで、バブル相場が崩れたときのマグニチュードの大きさが気になる。

これだけ、とっかえひっかえで史上空前といわれる資金供給を繰り出してのバブル高だ。

それも、国や中央銀行までもが胴元になってバブル買いを煽ってきたという前代未聞の展開である。

債券や株式など、世界中で積み上がっている買い残高は、もう想像を絶するとしか言いようがない。

それらが、バブル崩壊では一斉に売られるわけだ。 とんでもない売りが殺到するのは、容易に想像できよう。

そもそもからして、上がるから買う、儲かりそうだから買うで、ひたすら買い上げてきたバブル相場だ。

債券や株式にしても、さらなる値上がり期待しかないような高値を、どんどん買ってきている。

それらが値下がりに入った瞬間、一転直下の総売りを浴びるのは間違いない。

といっても、これだけ買って買いまくってきたバブル相場だ、下げたら買おうなんて投資家など現れようがない。

債券にしても株式にしても、買いがまったく入ってこない下げ相場で、みるみる値を崩していこう。

1987年10月のブラックマンデー時には、NY市場の株価は一日で20%強の大暴落となった。

今回は、それを上回る大暴落となっても、驚きはしない。 それほどまでに、買い残が積み上がっているのだから。

まあ、マーケットの下落を調整するサーキットブレーカーが発動されれば、その日の下げは収まろう。

ただ、いちど崩れたバブル相場だ、天文学的に巨額な買い持ちをしてきた投資家たちの動揺は、収まりようがない。

売るに売れない投資残を山ほど抱えて、個人も機関投資家も塗炭の苦しみに喘ぐことになろう。

とりわけ債券市場は悲惨な売り地獄と化す。 債券は金利裁定の投資商品の典型だから、一方通行の売りのみとなる。

1983年以来の長期金利の低下傾向に乗って、37年間も債券価格の上昇を謳歌してきた債券投資家にとっては、驚天動地の修羅場に叩き落されよう。

そんな中、われわれ本格派の長期投資家は猛烈なバーゲンハンティングに入っていくのだ。

えらい違いとなる。