昨日の午後に出て、つい先ほど帰るという強行軍で和歌山へ行ってきた。
遠いのと、飛行機が減便、それに合わせて空港バスも減便で、帰りが思いのほか時間がかかった。
和歌山駅そして関空で、それぞれ2時間近く待っている間、本を読みながらもいろいろ考えた。
なにを考えたかって? ホンモノを知ってもらうには、どうすれば効果的かだ。
生マグロ、それも広い海を回遊している天然マグロだ。 それも、一度も冷凍していない冷蔵マグロ。
まさに、ホンモノの味である。 食べてもらったら、普通に流通しているマグロとは、旨さが違う。
そう、食べてもらうのが一番。 それで、生マグロの勉強会&試食会を定期的にやっている。
ただ、もっともっとスピードを上げたいのだ。 生マグロ直販クラブの販売実績を伸ばしたいから?
もちろん、そうだ。 なぜなら、それ以上に大きな理由があるからだ。
このままだと、生マグロが食べられなくなってしまうのだ。 そうなってからでは、手遅れもいいところ。
スーパーなどで、一般に流通しているマグロは、どれも延縄漁で魚群を一網打尽にしたもの。
大量に魚網で引き上げたマグロだから、もちろん血抜きはできない。 つまり、生臭さが魚体にまわってしまう。
そして、多くは圧死するがままだから魚体は傷んでいる。 刺身のパックにするしかない。
というわけで、刺身パックの裏側にはマーガリンやら増粘剤といった添加物が表記されることになる。
つまり、生のはずの刺身が、いつの間にか加工食品のようになっているのだ。
それもこれも、大手水産会社などが経営の効率化で巻き網漁を推進し、水産庁もそれを後押ししている。
それが、国が定める毎年のマグロ漁獲枠にはっきりと表れていて、巻き網漁に圧倒的に有利となっている。
一方、天然の生マグロにこだわる延縄漁は、漁獲効率が悪く衰退の一途をたどっている。
こちらは、一本釣りだから血抜きもしているし、近海漁業なので冷凍はせず冷蔵のままだ。
だから、まさに生の刺身の旨さだ。 ホンモノの旨さを堪能できる。
しかし、延縄漁で頑張っている漁業関係者の収入は低く、廃業が相次いでいるのだ。
この流れになんとかブレーキをかけ、願わくは生マグロの旨さを後世にまで残していきたい。
これが、生マグロを守っていきたいストーリーである。 さあ、どうやって広めていこうか。