バブル崩壊がいつなのかは、神のみぞ知るのところ。 ただ、その序奏曲は奏でられ始めたようだ。
買って買いまくってきたものは、その重みでいつか必ず下がりだす。 それは自然の摂理である。
もちろん、相場だから上がったり下がったりするのは、世の常である。
その点、バブルの熱狂で大きく買い上げられたものが崩れるわけだから、爆発的に出てくる売り圧力も半端ではない。
皆が一斉に売り逃げに走ることで、マーケット全体が値段がまったくつかない暴落症状に覆われる。
すさまじいまでの売りが集中する修羅場では、人々は現金化を急ぐあまり、価値のあるものも一緒くたに手放そうとする。
この段階までで、既に多くの人は財産づくりにおいて、二つの過ちを犯してしまう。
ひとつめは、バブル崩壊に巻き込まれて、保有株式のみならず多方面で、かなりの投資損失を抱え込むことだ。
ほとんどの運用商品は大なれ小なれ、その寸前までのバブル相場に足を突っ込んでいる。
その結果、膨れ上がっていたはずの資産勘定が、バブル崩壊で吹っ飛ぶことで、多くの運用商品の成績はガタ落ちとなる。
見るも無残に落ち込んだ運用成績を目の当りにして、人々は自分の資産が激減してしまったショックに打ちのめされる。
ふたつめは、バブル崩壊に動揺し損失を最小限にしようとして、やみくもに現金化を急ぐ過ちを犯すことになる。
まだまだ下がるのではという不安に駆られて、それこそ売らなくてもいいものまでも売って現金にしようとするわけだ。
暴落相場で売り急げば、下げをさらに大きくするだけのこと。 投資損失の傷をどんどん大きくしてしまう。
これらは、いつのバブル崩壊でも見られる「売り逃げ地獄」の修羅場で、ほとんどの投資家が叩き落される。
それを避けるのも本格的な長期投資の一環であって、われわれは早い段階からバブルの熱狂から離れた投資運用に徹する。
そうしておけば、バブル崩壊で大慌てとならずに済むし、価値観を失ってやみくもに売る愚行も避けられる。
もちろん、バブル崩壊となればこちらの投資も、ある程度は連れ安させられるのは避けられない。
ただ、それほどバブル買いされてこなかった分だけ、出てくる売りも限定的であり、下げも早々に収束する。
つまり、われわれ長期投資家はバブル崩壊の影響を軽微でやり過ごし、早くも次の行動に入っていけるわけだ。
そう、バブル崩壊後の大バーゲンハンティング機会をとらえて、長期投資家は待ってましたの買いに入るのだ。
多くの投資家が巨額の投資損失を抱えて身動きが取れなくなり、絶好の買い場を見過ごすのとでは、大きな違いとなる。
これが、バブルを乗り越えて資産を守りつつ殖やしていく、財産づくりの鉄則である。