株式市場はバブル高に弾みがついている。 おもしろいのは、ずっと出遅れていた日本株市場がピンポン玉のように上がっていること。
日本の機関投資家が「持たざるリスク、買っていない出遅れ感」とかで、ワッと買ってくるときは往々にして上昇相場の最終段階を示唆する。
皮肉を言っているのではない。 ああだこうだと理屈をつけて、いつも買わない理由を並べているのが、日本の機関投資家である。
そして、いよいよ出遅れ感でいたたまれなくなって、横並び買いに出てくるのは、いつも最後の段階となる。
株高の理由というか、ここまで買い上がる根拠は、世界的なカネ余りを挙げる以外に、なにもない。
もちろん、株高は将来の企業動向や経済発展を先取りするという先行指標性を持っている。
その意味では、GAFAとかテスラといった企業の株が爆買いされているのは、さもありなんとも言えよう。
とはいえ、いくら何でもというほどまでに買い上げられているのも事実である。
1969年代後半から70年代初めにかけて、ニフティフィフティ相場というのが米国株市場を大いに賑わせた。
米国経済のパラダイム変化だ、新旧交代だとかで、これからの米国経済を支えていくだろう新興50社の株式が、すさまじい集中買いで吹っ飛んでいった。
現在のGAFAとかテスラ株は、まさにあの当時のニフティフィフティ相場の再現である。
で、その結末は? あれだけ騒がれた50社のうち、現存しているのは22社にすぎない。
その前に、ニフティフィフティ相場が崩れたときは、悲惨そのものだった。
まあ、この先どうなるかは神のみぞ知るのところ。 はっきりしているのは、ずいぶんと高値をすっ飛んでいるということだ。
さらなる上値追いよりも、どこかで崩れる方が勝るのではないだろうか。
ともあれ、われわれ長期投資家はここまでずいぶんと暴落買いをしてきた。 いまさら、買ってないリスクとかで慌て買いする必要は、さらさらない。
むしろ、暴落を想定して、その時でも慌てないどころか攻めに入れるポートフォリオを構築しておくだけのこと。