証券会社の将来、まさに経営者次第

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証券会社全般に苦しい経営が続いている。 かつては手数料の自由化、最近はネット証券会社の跋扈で、手数料収入が激減してしまった。

株式などの売買手数料収入が競争激化で大幅に下がったので、より利幅の厚い投信販売に舵を切った。

ところが、投信の乗り換え営業はじめ、あまりにひどい手数料稼ぎに対し、金融庁が指導を強化した。

それで、投信販売でも手数料の荒稼ぎができなくなった。 かくして、証券各社の個人営業部門は苦境に陥った。

株式や投信の販売で稼ぐビジネスモデルが崩れると、引受け業務を強化するしかない。 といっても、引受け業務は大手証券の金城湯地である。

となると、中堅以下の証券会社の将来像は、おそろしく暗いものにならざるを得ない。

まあ、そういうことなんだろう。 ところが、勝負はここからで、まさに経営者の力量発揮の舞台となっていく。

考えるまでもなく、一般生活者の資産形成ニーズは膨れ上がるばかりで、証券会社の役割はなくなりっこない。

証券会社の将来は暗いどころか、想像を絶するほどのビジネス拡大のチャンスが広がっているのだ。

あえていえば、銀行などをはるかに凌駕した顧客資産の獲得も、あって当たり前なのだ。

では、どうしたらいいのか? 従来からの手数料稼ぎ営業から脱皮して、本物の顧客営業に完全移行する、それも一刻も早く。

本物の顧客営業? そう、証券投資というものを通して、顧客の資産形成に最大限のサービスを展開するのだ。

証券投資という武器を持っている証券会社は、預貸業務を中心とした銀行の商売より、はるかに有利である。

問われるのは、いかにして顧客資産の増加に積極貢献するかだ。 お客様に、たっぷりと儲けてもらうのだ。

これまでの、「顧客を儲けさせる」といいながらも、手数料を稼ぐノルマ営業で血眼になっていたのとは、完全に一線を画す。

具体的には、長期の株式投資をお勧めするのだ。 それも、顧客が好きでずっと応援したいと思う企業を、とことん応援する長期投資で。

なにがなんでも応援したいと思うからこそ、先週のような暴落相場でも怖がることなく、買いに行ける。

そこにこそ、本物の証券マンの出番がある。 彼ら彼女らが、しっかりと本格的な長期投資を身につけるのだ。

その上で、暴落相場を逃げることなく、ここは応援買いにいきましょうよと顧客に勧めよう。

そこは対面営業の強みで、企業を応援していく長期投資をじっくりとお話しできる。

はじめのうちは、半信半疑でほんの少し買ってもらうだけでいい。 しかし、暴落相場を買っておけば、少し戻るだけで利益が出る。

このリズムを実体験してもらいつつ、すこしずつ投資金額を増やしてもらおう。 そのうちに、顧客の方からもっと投資しようと金額を増加させてくれる。

気がついたら、大きな資産をお預かりしているという展開こそ、これからの証券会社が生き残るどころか、大きく発展していく道である。