この2週間、東京株式市場もNY市場も派手に下げた。 長期投資家日記の読み通りなんて言う気はない。
なぜなら、まだこんなものは走りぐらいであって、本格的な下げはもう少し先のことだから。
とはいえ、いい買い場を提供してもらったのは間違いない。 将来、大きな下げが見込まれるといっているのに、いま買うの?
経験則からいうと、今回のような激しい下げ相場では、ジャブ程度の買いを入れてくのがいい。 そして、そのジャブを繰り返すのだ。
どうしてかって? 実際に本格的な下げに見舞われると、売りが殺到する。 そんな修羅場を、そうそう買えるものではない。
その点、早い段階から大きく下げるごとにジャブの買いを繰り返しておくと、案外と気安く買えるものだ。
おもしろいもので、「よっしゃ、もう一丁買ってやろうか」ぐらいな気楽さで、暴落相場に立ち向かえる。
あるいは、「ようやく、来たな。 ここは、本格的な長期投資家らしく、徹底的に応援買いするぞ」と、まったくひるむこともない。
この違いは、決定的である。 世のほとんどの投資家が、売り逃げに走るところを、平然と買い向かうのだ。
後になれば、どちらが賢明だったかは、いうまでもなかろう。 いつの暴落相場でも、買い向かった方が勝ちである。
考えたらわかる。 今回の金あまりバブルも、株価だけが異常に買われている。 企業の本来価値などを大きく超えて。
その買われすぎが、行き着くところまで行った挙句に大崩れとなるわけだ。 その走りが、この2週間の下げである。
といっても崩れるのは、株価である。 長期投資家が応援している企業のビジネスが崩れたわけではない。
だから、絶好の買い場というわけだ。 その買い場をものにするためには、いまのうちからジャブの買いを繰り返しておくに限る。
もう一つ、ジャブ買いの利点がある。 それは、大きな下げの戻り局面で、結構な利幅を抜けることが多々あることだ。
短期投資を進めるわけではないが、ジャブで買ったものが意外と大きなリターンをもたらしてくれるのも、経験則である。