方向は定まった、後は軌道に乗せるだけ

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今回の徳島出張も、実りが多かった。 一番はやはり、徳島合同証券の腹の据わった動きだ。

日本の証券業界の伝統というか悪弊となっている手数料稼ぎから脱皮し、投資家顧客の利益優先に舵を切った。

口先だけではなく、文字通りの投資家顧客の利益優先だ。 それを、泊社長は数年前から敢然と推し進めている。

たとえば、こんなマイナス金利の時代に債券投資など、投資家にとって得るものはほとんどない。

それどころか、将来どこかで金利が上昇に転じたら、大きな損失を蒙るのは必定。

であるなら、顧客に保有債券は売却してもらい、新規の債券投資もここから相当に長い間はお預けだ。

また、投信販売も現時点で設定されている投信商品のほとんどは、将来の金利上昇局面で大きく基準価額を下げる危惧は否めない。

すこしでも損をおかけすると思われるような投信を、お客様にお勧めできるはずがない。 だったら、投信販売ビジネスから撤退だ。

では、なにが残る? これまでのような、株式相場を追いかけてはドッタンバッタンの売買を繰り返してきた回転商いは、それほど投資家利益につながっていない。

となると、長期の本格的な株式投資をじっくりとお客様にご案内していくしかない。 それ一本でいこうと、数年前に決めた。

いうは簡単、実際にやってみると大変。 従来の手数料稼ぎビジネスから、きれいさっぱりと足を洗った。

当然、証券会社としての収入は激減する。 また、古くからの社員は相当に面食らってしまい、辞める人もポツポツ。

それらをすべて覚悟の上での、まっとうな証券会社を目指しての方向転換だ。 泊社長の決意は揺るがず、グイグイと推し進めてきた。

ようやく最近になって、新しい方向で先の展開が見えはじめてきたようだ。 このままいけば、良いんだという確信も。

たとえば、昨年末、今年の5月、8月9月の株価低迷時に、身近で安心できる会社の株をしっかり買っておこうと顧客に提案し続けた。

それが、その後の株価上昇で、それなりの投資リターンをもたらしてくれている。 この実感は大きい。

長期投資家には命ともいえる、「安く買っておいて、高くなったら売る」というリズムが、お客様の間でイメージできつつあるのだ。

実体験とともに、そういった長期の株式投資ならついていけるという新しい顧客も、すこしずつ増えだしている。

このまま頑張り続けたら、徳島で長期投資の大きな広がりをつくっていけそう。 そんな実感が湧いてきた出張だった。