多くの投資家にとって、なんとも難しい局面に入ってきた。 この先、上がるのか、下がるのか?
NY株式市場などが史上最高値をつけて、いまはちょっとした調整局面にある。
しばらく前までなら、強気派は新高値を付けた後の値固め局面とみて、どんどん買っていった。
弱気派は、当面の目標達成で利益確定を優先して、しばらく市場から離れようとしたものだ。
買うか売るか、投資家それぞれの利益獲得を目指す思惑が、マーケットでぶつかり合った。 それが株式相場というものだった。
そして、買い方と売り方どちらの力が勝るかで、相場は上へ跳ねたり下げに入っていったりしたわけだ。
ところが最近は、そういった読みが全く通用しない。 途方もなく巨額の資金がディーリング売買に参入していて、個々の投資家の思惑など蹴散らしてしまう。
ディーリング売買は、値幅が抜けそうなら上でも下でも構わない。 どんな小さな儲けでも、それを狙ってドドッと大量の注文を出してくる。
マーケットでは、その時々の買いと売りの力関係を反映させた価格形成がなされる。
その価格形成だが、巨額資金のディーリング売買でもって上がったり下がったりするとなると、もう方向感覚などないも同然。
ひたすら買いと売りの力のぶつかり合いが、1秒間に1000回とか2000回という超高速スピードで展開していくのだ。
超高速売買をやっているのはコンピュータで、上でも下でもとにかく値幅を抜けとプログラミングされている。
そんなディーリング売買に牛耳られたマーケットで、この先の展開など読みようがない。
もうこうなってくると、どう考えても長期投資しかなくなる。 いろいろな投資手法あろうが、どれも通用しなくなっている。
その点、われわれ長期投資家は、いつでも相場とはつかず離れずのスタンスを守る。
ディーリング売買がどう暴れようと、のんびり見守っていて、株価が大きく下げた時にはすかさず買いに入る。
株価が大きく跳ね上がってきたら、少しずつ売り上がっていく。 それだけのことで、相場がどっちへ動こうと一向に構わない。
このリズムを崩さない限り、ディーリング売買に振り回されることはない。
そう、多くの投資家たちがどう投資判断していいのか迷う中、われわれの長期投資はマイペースの投資を続けるだけでいい。
本格的な長期投資が、今後ますます際立った強さを発揮することになろう。