米FRBが今年2度目の政策金利引き下げに動いた。 10年ぶりの金融緩和政策に舵を切った政策の第2段だ。
リーマンショックの後、素早く金融問題を片付けた米国は、きわめて慎重ながらも金利正常化に向けた出口戦略を進めてきた。
さすがは米国だ、市場の健全化と銀行の不良債権処理を一気に進め、返す刀で金利の正常化に向かっていた。
そう評価していたのに、トランプ大統領の強い意向もあって、金利引き下げの方へ逆行しだしたわけだ。
既に、日本やヨーロッパはマイナス金利下にある。 そこへ、頼みの米国までもが土俵際まで来てしまったのだ。
さあさあ、この先どんな展開が待っているのだろう?
ゼロ金利やマイナス金利は、人類未踏の経験といっていい。 その先に何が待っているのか、誰も知らない。
はっきりしているのは、大幅な金融緩和と大量の資金供給で、なんとか取り繕っている景気だ。
大して中身はない。 そんな張りぼての景気を先進各国が追い求めて、一体なにが得られるというのだろう。
将来に対する責任など放ったらかしで、現在の評価を求めてやまないポピュリズム政治のしからしめるところ。
そう評論家風にいっていたところで、何の解決にもならない。 かといって、ポピュリズム政治が収まる気配はない。
このまま行ってしまうと、まず間違いなくインフレだろう。 社会が大混乱をきたしている渦中で、日和見政治は吹っ飛ぶのだろう。
インフレ到来といっても、おそらく景気はモタモタしているから、物価はそう上がらないかもしれない。
ただただ、お金の価値だけが下がっていく、悪性インフレとなるのか 大量にばら撒いたお金の価値だけが下がる展開か。
通常のインフレなら、実物資産の価値が高まる。 悪性インフレだと、ただ単純に実物資産で資産を守ろうとは言い切れない。
いつの時代、どんな時でも、最後は生産価値だ。 農林水産業を含め、人々の生活を支える生産活動の価値は不変である。
やっぱり、最後はわれわれの長期投資に来るね。