50兆円ファンドでも、簡単に運用できるよ

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昨日の郵便ファンドの記述で、郵貯のファンドなら50兆円ぐらい簡単に集まるはずと書いた。

運用業界の人なら、50兆円のファンドと聞いたら眼を丸くし、そんな巨額のファンドなど運用できないというのは間違いない。

かつて、米フィデイリティ社のマゼランファンドは好調に運用資産を伸ばしていった。

運用成績が良かったら、大々的なマーケティングで預かり資産をどんどん増やしていったわけだ。

ところが、預かり資産が10兆円を超えてからというもの、絶好調を誇ったマゼランファンドは一気に逆回転をはじめた。

運用資産額が大きくなりすぎた結果、なかなか運用成績が出なくなり、それに失望した投資家がマゼランファンドから逃げ出しはじめた。

そうなると、解約売りでポートフォリオを崩すことになり、運用成績がどんどん下がる悪循環に陥ってしまう。

その結果、あれほど輝いていたマゼランファンドだが、その運用資産額は一気に尻すぼみとなっていった。

このように、巨額の資金を集めると運用成績が鈍りだすのは、運用業界の常識である。

それで、さわかみファンドのお客様からも、よく資産額が3000億円を超えたから、もう運用成績が伸びないのではといった質問がくる。

実をいうと、この常識は運用成績とマーケティングによって資金を集めようとする、世間一般の運用業界においてのものにすぎない。

運用成績を出そうとすると、どうしても値上がりしそうな株式を買い上がることになる。

それが巨額の資金だと、自分の買いで株価をどんどん押し上げていく。 結果、相当に高い買いコストになってしまう。

売る時も同様で、自分の売りで株価をどんどん押し下げていってしまう。 利益確定の売りのはずが、株価潰しをやってしまう。

そういったヘボな投資をやらざるを得ない。 いくら、AI やらコンピュータを駆使したところで、巨額資金で儲けようとすると自縄自縛になるのは避けようがない。

その点、われわれの長期投資なら何の問題もない。 本格的な長期投資では、ひたすら企業を応援しようとする。

だから、暴落相場など株価が大きく下がっている時に、ここは応援しなければと買いに行く。

そういった売り逃げの修羅場だと、いくら巨額の資金を投入したところで、なんの問題もなく安く買える。

景気や投資環境が良くなって、株価が大きく噴いてきたら、少しずつ売り上がっていくことで、なんの支障もなく利益確定できる。

運用成績など追いかけないし、マーケティング活動もしない。 しかし、運用成績は後からついてくる。 それを見て、運用資金は放っておいても集まってくる。

これが、本格的な長期投資運用だが、さわかみファンドでは設定当初から、それを地でいっている。

したがって、これから運用資産額が現在の3000億円から、2兆円5兆円20兆円となっていっても、平気で運用できる。

同じように、郵便ファンドも本格的な長期投資をやる限りにおいては、50兆円になっても堂々と運用成績を投資家顧客にお届けできる。